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ヘタリア大帝国
TURN113 ソビエト占領その七

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「モスクワに一時寄港したいっていうんだよ」
「そうなのね、それじゃあね」
「それでいいよな」
「一般市民が困っている時に助けるのは軍人の務めね」
「ああ、国家にとってもね」
 アメリカ妹は国家としてから言った。
「だからだね」
「そうよ。じゃあその小型艇のところには私が行くわ」
「頼んだよ、じゃあな」
 こうしてスカーレットがその小型艇のところに向かった、だがここでだった。
 その小型艇からの通信を受けてだ、さしものスカーレットも驚いて艦橋にいる部下達に対してこう言った。
「まさかこの人とはね」
「はい、夢にも思いませんでした」
「私もです」
 部下達も皆驚いている顔で応える。
「ゲーペ長官だとは」
「カテーリン書記長の懐刀が乗っていたとは」
「まさかあの人とは」
「信じられません」
「詳しい話は港で聞いてね」
 そしてだというのだ。
「それからね」
「とりあえずはですね」
「まずは」
「ええ、ゲーペ長官を港に案内して」
 そしてだというのだ。
「困っていることは確かだから」
「はい、わかりました」
「それでは」
 こうしてだった、ゲーペは港に案内された。間違いなく彼女だった。
 彼女が来たことに驚いているのは秋山も同じだ、有り得ないといった顔で東郷に対して言う。
「あの、ゲーペ長官のことですが」
「俺も話は聞いた」
 そうだとだ、東郷も返す。
「ソビエトでの役職や階級を全て解任されてだな」
「国外追放されたとのことです」
「信じられない話だ、だが」
 それでもだとだ、東郷は秋山に言った。
「一度ゲーペ長官から直接話を聞くか」
「そうされますか」
「長官は今何処にいる」
「まだ港におられます」
 そこにだというのだ。
「そこで小型艇を修理してもらっています」
「そうか、では修理をしている間にだ」
 話の場を設けようというのだ。
「そうしよう」
「それでは」
 こうして東郷はゲーペと会うことにした、そのうえでだった。
 楽しげにだ、秋山にこうも言うのだった。
「ところでゲーペ長官だが」
「何でしょうか」
「前から思っていたがな」
 映像を見てだというのだ。
「美人だな」
「またそういうことを仰るのですか」
「美人に興味を持っては駄目か」
「駄目とは言いませんが」
 秋山はその東郷に困った感じの顔で返す。
「ですがそれでもです」
「ははは、いつも言っていることだな」
「どうしてそう女性に関しては」
 このことは相変わらずだった、とにかく東郷のそうしたところは。
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