TURN113 ソビエト占領その五
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「まさかと思うけれど」
「そうされるのですか」
「党から除名、内相と秘密警察長官も解任よ」
カテーリンはさらに言っていく。
「それに軍からも除隊、国外追放よ!」
「あの、そこまですることは」
「ないのでは」
ロシア兄妹は戸惑いながらカテーリンを止めようとした。
「長官は僕達の柱だから」
「長官がおられないと」
「もう決めたのよ」
ここでも意固地さを出すカテーリンだった、その顔はむっとしている。
「すぐに出て行って」
「わかりました」
ゲーペもカテーリンの言葉を受けた、表情を変えずに。
「それでは」
「そして見てるの、共有主義が勝つところを」
それは絶対にだというのだ。
「共有主義は負けないから!どんな相手でも絶対に勝つのよ!」
「ご武運を祈ります」
ゲーペは今もソビエトの敬礼で応えた、こうしてカテーリンは懐刀を自ら放り出してしまった。
だがそれでも止まらなかった、すぐにロリコフ=バイラーのところに自ら行って言うのだった。
ピンクの長い髪を後ろで束ねた痩せた何処か変質者的な外見は変わっていない、カテーリンはその彼に言うのだった。
「いい?今以上にね」
「クローン人間の増殖をですか」
「そう、急がせて」
こうロリコフに言うのだ。
「いいわね」
「ではいよいよですね」
「モスクワを取り戻すから」
ソビエトの首都をだというのだ。
「だから急いで」
「わかりました、それじゃあ」
「共有主義は絶対に負けないから」
それは絶対にだというのだ、ここでも。
「だからよ」
「カテーリンさんは頑張りますね」
「皆頑張らないと駄目なの」
何処か生徒会長めいた言葉だった。
「私だって」
「書記長もまたですね」
「皆が頑張って皆が幸せになるの」
こうも言うカテーリンだった。
「だからよ」
「はい、それじゃあ」
「クローンの戦力で一気に領土を全部取り戻して」
そのうえでだというのだ。
「枢軸国もやっつけるのよ」
「お言葉のままに」
「ただ、同志ロリコフって」
ここでだ、カテーリンは話題を変えた。
ロリコフを見てだ、こう言ったのだ。
「共有主義はいいの?」
「私はカテーリンさんさえいればいいんですよ」
「ロリっていうの?」
「純粋に見て楽しんでいるのです」
まさに純粋なロリータコンプレックスの持ち主の言葉だった。
「それだけです」
「気持ち悪いわね、何か」
「そうした気の強いところもです」
好きだというのだ。
「大好きなのです」
「近寄らないで、近寄ると廊下に立たせるから」
「ははは、見ているだけなのでご安心を」
とはいっても本能的に全然安心出来なかった、カテーリンにしては。
だがここまで話してだ、カテーリンはだった。
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