第44話 「青天の霹靂」
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「華奢で柔でデリケート。その上清楚で可憐で繊細な、とはまるで、私のことですね」
とか言ってやがる。
原作ならともかく、今の君は肉食系でしょうがー。
対応を間違えたー。
いったいどこで道を踏み外したんだろ?
まっすぐ生きてきたはずなのに!!
「ななめに真っ直ぐ来たんじゃないですかぁ〜」
人生、ななめに真っ直ぐかよっ。
言いえて妙だな〜。
「マクシミリアン。あんな風に成ってはいけませんよ」
「うおぅ。いつの間に?」
ベーネミュンデ侯爵夫人が、アレクシアと幼いマルガレータをつれて宰相府に姿を現した。
お腹の大きいアレクシアとマルガレータが、よちよち歩きのマクシミリアンと仲良く手をつないでいる。
おお、歩けるようになったのかー。
こどもは成長が早いな……。
しかもやんちゃだ。
俺の足をぺちぺち叩きやがる。
ベーネミュンデも止めないし。まあいいけどな。
「にーにー」
「おお、よしよし。がぉ〜」
がぉ〜っと脅かすときゃっきゃ言って喜ぶ。そしてマルガレータが、精一杯お姉さんぶっているところなんか、微笑ましいぞ。
こどもはかぁ〜い〜ね〜。
膝の上に乗せてやると、俺の真似をして書類を眺める。
マルガレータもエリザベートもアレクシアや、アンネローゼさえも微笑ましそうに、俺とマクシミリアンを眺めていた。
ベーネミュンデは俺の膝からマクシミリアンが落っこちないか、心配しているようだ。
落としたりしねえよ。
「アレクシア。体調はどうだ?」
「順調です」
「そうか、体には気をつけろよ。生まれてくるのは男でも女でもいい。元気な子であったら言う事はない」
「はい」
嬉しそうに返事を返すアレクシアを横目に、マクシミリアンに声を掛ける。
「マクシミリアンはもうすぐ、おにいちゃんになるんだぞ〜」
「にー?」
本当は叔父さんだけどな。かわいがってくれよ。仲良くな。分かっているんだか、分からないんだか、それでも嬉しそうに喜んでいる。
「あっ、マクシミリアン」
ラインハルトが戻ってきた。
そして俺の膝に座っているマクシミリアンを見て、うれしそうに駆け寄ってきた。
マクシミリアンもうれしそうに俺の膝から降りようとする。ラインハルトとマクシミリアン。この二人は仲良くしているようだな。結構な事だ。
しかしラインハルトのやつ、ベーネミュンデ侯爵夫人の顔を見るなり、ビクッとしやがる。
よほど怖い目にあったのだな〜。
俺も見たかった。
「こ、こんにちはベーネミュンデ侯爵夫人さま」
「こんにちは、ラインハルト。あいかわらずかわいいですね」
「お、仰らないで下さい。不本意なのですから……」
「まあまあ、そんな事言うも
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