第44話 「青天の霹靂」
[2/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
だっ!!」
「この条件では、戦艦を一隻修理しただけでも、軍備の準備をしていると、言い掛かりをつけられてしまう。これなら無視した方が良い」
「それは……」
「条件を白紙に戻す。その為の攻略だ。出征だ」
トリューニヒトの言葉に評議会の連中が傾きだしている。
サンフォード議長は、おろおろと周囲の様子を窺う。
くそっ、議長の気の弱さが、部屋の空気を軟弱なものにしている。そしてそれがトリューニヒトを抑えられずにいるのだ。
「ま、待ちたまえ。一旦休憩を取ろう。議決はその後だ」
議長が珍しく強引に話を打ち切った。
そして足早に部屋から立ち去っていく。根回ししておきたかったが、ああも逃げるように立ち去られては、どうしようもない。
せめてホワンだけでも話をしておきたいと思い、二人で部屋から去った。
トリューニヒトは一人、悠然と腕を組んで席に座ったままだ。
くそっ、ずいぶん余裕な態度だ。そしてトリューニヒトの周囲に人が集まりだしている。こいつ、議会に集まる前から、根回していたな……。
■ロイヤル・サンフォード■
「ロボス君。軍はイゼルローン攻略に賛成しているのかね?」
私は会議室から足早に立ち去ると、急いでロボス君に連絡を取った。
いくぶん恰幅の出てきたロボス君は、落ち着いた口調で口を開く。
「小官としては、イゼルローン攻略に反対です。シトレはどうかは分かりませんが」
「シトレ君か……」
彼が攻略を主導しているというのか!!
まさか?
いやしかし、あのトリューニヒトの自信は、軍の賛成を得ているからだろう。
だが、今の時期にイゼルローンを攻めるなど……できるというのか?
「しかしシトレも積極的には、賛成していないでしょう」
「うん? どういう事かね?」
「委員長の仰る。白紙に戻すための出征には、賛成しますが、その対象がイゼルローンとなれば、反対するでしょう」
そうか、奴は出征の賛成を得たのだな。
それをイゼルローン攻略と偽ったのかっ!!
よし、そこを突けば、抑えられる。
「ですが、出征そのものは賛成すべきでしょう。今の条件は悪すぎる」
「確かに……条件は悪いな」
「同盟の国民感情的に、そのような条件は飲めないと、意思表示するためにも、ここは攻めるべきです」
「なるほど……その通りだ。だが、どういう作戦を採る?」
私の問いにロボス君は、一つ頷くと口を開いた。
「イゼルローンを攻めると見せかけておいて、帝国軍をティアマトまで引きずり込みます」
「ティアマトか、勝てるかね」
「勝つためには六個艦隊は必要です」
「六個艦隊か、それはなんとかしよう。任せておきたまえ」
「ハッ、感謝いたします」
私がそう言うと、ロボス君
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ