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誰が為に球は飛ぶ
青い春
拾参 知らない自分
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玲は席を立った。

「行きましょう。帰る前に、私の家に寄っていかない?」
「……」

真司は、驚いて、玲の顔をまじまじと見たまま動けなかった。



無表情の、玲が。



あまりに表情に抑揚がないので、真司に「無表情の種類の中に表情を読み取る」という芸当を習得させた玲が。



笑っていたのである。




屈託無く。自然に。



「…どうしたの?」
「あ、ああ、行こう」


我に返り、慌てて真司は席を立った。
真司が飲み残したコーヒーの水面が、波を立てて揺れていた。












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