暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第34話 塩田設置作業?二十四時間働けますか?
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 責任者への挨拶は、アッサリと終了しました。ある意味、当然と言えば当然でしょう。各領地の守備軍責任者は、元々ドリュアス領守備隊の準隊長クラスなのです。そのクラスの隊員とは、隊舎で良く顔を合わせたので顔見知りなのです。彼の名前は、ガエタンと言います。軽く言葉を交わし、今後の確認だけで話は終わりました。

 それよりも問題なのが、ガエタンが妙に煤けていた事です。いきなり責任ある役職に着いたからと言うのもありますが、それだけではありません。……明らかにオーバーワークです。

 いきなり大役を押し付けられた重圧と、少数の部下のみ(しかも大半が新人)連れて見知らぬ土地の防衛を押し付けられたのです。更に現地調査に人員確保(プラス新人教育)に加え、ワイバーンの調教のおまけも付くのです。想像しただけで、逃げ出したい気分になります。

 この日は厚意により、隊舎に一泊する事になりました。部屋数の関係で、私達3人は同じ部屋で眠る事になりました。夜中にクリフが抜け出し、隣のガエタンの部屋へ行ったのに気付きました。私が風メイジの所為か、僅かに漏れ聞こえる声をハッキリと聞きとる事が出来ます。2人は互いの労をねぎらい合い、少しだけお酒を飲んでいる様です。

「見知らぬ土地の防衛は大変だろう。まして、付けられた部下の殆どが新人と来ている」

「なに、クリフほどではないよ。あのシルフィア様の子だ。クリフの方がよっぽど大変だろう。主にドS的な意味で……」

 その声に、クリフが乾いた笑いを上げていました。先程の念仏の件で、否定出来ないのが悲しい所です。

「アズロック様の子でもあるからな。個人的にはドMである事(苛められないと言う意味で)を期待していたのだが、残念ながらシルフィア様似の様だ。塩田の設置作業は、覚悟しておいた方が良いぞ」

「そんな分かり切った事、今更言うなよ。鬱になりそうだ」

 2人は本当に良い度胸をしています。それに自分の主に対して、ドMやらドSやら言わない方が良いと思いますよ。と言うか、その認識は必ずしも正しくありません。私も最近気付いた話ですが、普段は母上の方が強く見えます。しかし、いざという時に母上は父上に逆らえない様なのです。父上のあり余る包容力の勝利と言えるでしょう。特にベッドの上な……ゲフンゲフン。なんでもありません。

 私の思考を他所に、隣では母上と私の悪口で盛り上がっていました。お酒が適度に回り、声のボリュームも上がっています。もう風メイジでなくとも、聞き取る事は可能でしょう。

「……しかし、本当に良い度胸です。負担を強いるのは可哀想と思っていた私が、まるで馬鹿みたいです。元からする心算はありませんでしたが、もう遠慮しません」

 私の口から、怨念がこもった言葉が漏れ出ました。ドナが被っている毛布が、ガ
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