赤い大地の激昂
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響かせたのだった。
雲が渦巻く。
とある火山に、キラキラと煌めく光が2つ現れ、宙を舞った。
「何をしに来た?グランディーネ、グラウアッシュ」
『久しぶりね』
《こんにちは》
地を、空気を、火山を震わせるような低い声が響き、煌めきが軽やかに答える。
「ここへ来る事・・・干渉する事は禁じたハズだ。今すぐ立ち去れ、グランディーネ、グラウアッシュ」
火山の穴から、2つの光が浮かび上がる。
『近くにアナタを感じたものだからね。『あの子』・・・本当に無茶ばかりするのね。誰に似たのかしら?』
煌めきがクスクスと笑い声を零す。
すると、そこにグランディーネとグラウアッシュと呼ばれる煌めきとは別の煌めきが姿を現した。
【うむ・・・なかなか面白そうな話をしているな】
「お前まで来たのか・・・シュテルロギア」
《あら、貴女も久しいわね。シュテルロギア》
【久しいな、グランディーネ。グラウアッシュ。主もな】
シュテルロギアと呼ばれる光はくるくると宙を回転し、笑うように煌めきを強弱させる。
【先ほどの話の続きだが・・・妾も見させてもらった。今回は運が良かったようだが、こんな事はそう何度も続かん。『あ奴』だけに全ての運を与えるなど、そんな偏ったマネを神はせんからな】
『シュテルロギアの言う通りよ・・・『あの子』、死ぬかもね』
2つの煌めきが舞う。
「出ていけ」
低い声が、火山を震わせた。
『いずれ『あの子』もウェンディと会う事になると思うけど、今度は仲良くしてほしいわね』
【ほう・・・となれば、『小娘』ともいずれ会う事になるだろうな。少々『小娘』は手強いぞ?親しくなるのは無理であろう。その点では『あ奴』は特殊的存在とも言える。まぁ・・・『小娘』の暇潰し、程度だろうがな】
《という事は、いずれはココロとも会うかもね。フフッ》
グランディーネとシュテルロギア、2つの声に、火山に住む主の怒りが爆発した。
「出ていけ!!!!人間に干渉するな!!!!」
怒号が上がる。
「このイグニールを怒らせたいのかぁ!!!!!」
イグニール。
鼻辺りに傷のあるドラゴン―――その存在こそ、ナツの探す育ての親だった。
『そうね・・・何を心配したトコで私達に出来る事は何1つない。あとは人間の力を信じるしかないものね・・・』
【妾達に出来るのであれば、人間の力など存在する価値もない。奴等のように感情に流され、他に流され、簡単に闇に堕ちる存在・・・不安定すぎる。本来なら、頼りたくもないが・・・こうなってしまった以上、頼るしかあるまい】
2つ
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