赤い大地の激昂
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しれっととんでもない事を言うエルザにグレイが呆れたように言う。
「そういえばよォ、エルザ。ティアが滅竜魔法・・・『星竜の咆哮』を放ったって、本当か?」
アルカが尋ね、エルザは無言で頷く。
「ああ・・・私も驚いた。ティアは滅竜魔導士ではない。それなのに滅竜魔法を・・・」
「もしナツみたいにドラゴンに育てられたとしたら、その兄弟のクロスとクロノさんもドラゴンに育てられた、って事になるよね」
「生き別れた家族、とかじゃなかったらな」
彼女が滅竜魔法を使える事を黙っていた、という説もあるのだが、黙っている理由がない。
全員が考え込む中、エルザが思い出したように顔を上げた。
「そういえば、ジェラールが妙な事を言っていたな」
「妙な事?」
ルーが首を傾げる。
「ティアがエーテリオンを吸収した時だったか・・・『星竜の巫女』と言っていた。ジェラールが言ったのを聞いていただけだから、詳しい事は解らんがな」
「巫女?」
「閃光とか女王じゃなくて?」
彼女の持つ通り名、海の閃光や氷の女王とは別の名・・・星竜の巫女という名に、よく行動を共にするルーやアルカでさえ不思議そうに顔を見合わせる。
「んじゃ、ティアが起きたら聞いてみりゃいいんじゃねぇのか?何か知ってるかもしんねーぞ」
「あい。ギルドに帰ってサルディアに聞くのもいいかもね。こういう系の事には詳しいもん」
「そうだな」
結局、ティアの問題は彼女が起きてから・・・という事になった。
(正直・・・何が起こったのかはよく解らない。だが、今が生きてる事を喜びたいな・・・)
薄い笑みを浮かべ、エルザは生きている事を実感する。
「何はともあれ、さすがエルザだな。勝手に毒食ってくたばってるマヌケとはエライ違いだ」
グレイがそう言いながらナツに目をやる。
それと同時に、ナツの耳がピクンと反応した。
「今なんつったァ!!!!グレーイ!!!!」
「起きたーーーーーー!」
怒号を上げながら、ナツが目を覚ます。
しかしグレイは構わず、ナツに皮肉を言い続ける。
「素敵な食生活デスネって言ったんだよ、バーカ。てかお前、フクロウのエサになってなかったか?食う方か?食われる方か?どっちだよ、食物連鎖野郎」
「うぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ」
グレイの御尤も(?)な皮肉にナツが唸り声を上げる。
そして――――――
「くかー」
「寝たーーー!」
「絡む気がねぇなら起きんじゃねぇ!」
ぱたっと倒れ込み、再び寝た。
「あははははっ!」
「クス」
それを見た一同は同時に笑いを噴き出し―――
『あはははははっ!』
楽しそうな笑い声を
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