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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第33話 さあ領地改革だ!!でも人手が足りない!!
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 こんにちは。ギルバートです。最近母上のストレスの溜まり具合が、凄い事になっています。来る日も来る日も、書類の山……山……山です。あの後父上はエア・ハンマーでお仕置きされ、即座に治療されました。そこからすぐに執務室に移動し、一晩閉じこもって2人で書類仕事をしていました。

 朝確認に行った時に、書類の山が一山消えていた事に驚かされました。朝食後に復活していましたが……。

 本来なら私も手伝うべきなのですが、塩田の設置面積が突然5倍以上に膨れた為、その対応でそれどころではありません。私が設置しようとしている塩田は、流下式塩田です。

 流下式塩田は、上に海水を流し太陽熱で水分を蒸発させる流下盤と、上から海水を滴下させ風力によって蒸発させる枝条架(じじょうか)が特徴です。これらの装置で、かん水(濃い塩水)を作り釜で煮詰める事で製塩します。

 規模の変更によるレイアウト見直しは、如何しても必要です。そうなると風車や手押しポンプも、数の見直しだけでなく大出力な物に再設計が必要になります。それよりも問題なのが枝条架です。流下盤は《錬金》で再現出来ましたが、枝条架の再現は出来ませんでした。当然私は、淡い期待から竹を探しました。まあ、結果は当然駄目だったのです。代わりに見つけたのが、ホンダワラ系の海藻でした。使用済み海藻で、藻塩も作れますし。但し竹と比べると、交換が必要な上に効率が落ちるので、枝条架の数を増やさなければなりません。海藻の必要量の確保(不可能なら更なる代替品の捜索)と人件費で、ただでさえ高いコストが規模拡大で更に増加します。

 非常に頭が痛い問題ばかりです。竹は絶対に何処かから見つけて来て、領内で栽培しようと画策しています。……他にも色々と使えそうですし。

 話が逸れました。とにかく母上の事は、放って置く訳にも行きません。実状を言わせてもらえば、領地経営は母上1人に依存しています。ストレスによる被害程度なら許容範囲ですが、万が一倒れられたら開拓と領地運営に深刻な影響が出ます。

 暫くの間は父上が居るので問題無いでしょうが、父上もずっと領地に居ると言う訳には行きません。

 母上を補佐する人員を増員したいのですが、十分な能力を持ちつつ信用のおける人物が居ないのです。そこで私は、一計を案じる事にしました。

 と言う訳で、居間にやって来ました。居間に居るのは、ディーネとアナスタシアの2人です。

「ディーネ。アナスタシア。2人にお願いがあるのですが」

「如何しました? ギル」

「なーに」

 ディーネとアナスタシアには、私にはない余裕の様な物がありました。母上が忙しく、訓練が自習なのが原因ですね。ちょっとムカッとしたのは、私だけの秘密です。

「実はちょっと深刻な事になっていまして……」

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