暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校の神童生
Episode19:誘拐
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置された場所を教えていた。


「ほのかはうまいとこにいるな…丁度死角になってる」


残念ながら隼人が見えたのは一つ上の階の様子だけだったが、隼人にはそれで十分だった。

「階段登ったすぐに二人、部屋のちょうど中間に一人、次の階へ続く階段に一人か」


合計四人。敵の総数がどれだけいるか隼人にはわからないが、ただ人質をとって引き篭もるような臆病組織にしては人数が多かった。


「…さて、行くか」


右太腿に括り付けたホルスターにベレッタを押し込んで、隼人は音を立てないように階段を登り始めた。
数十段登って小さな踊り場に出たとき、隼人は雑談を交わす二人の男を見た。手には両者ともアサルトライフルを装備している。


(…アサルトライフル?なんで、こんな大したこともない組織がそんなものを)

裏社会に出れば拳銃やライフルなどといった銃器は比較的簡単に手に入れられる。そういった物の管理をしている九十九家の代理当主である櫂が言っているから間違いではないのだろう。ならば、初っ端に接触するであろう二人がアサルトライフルを所持しているということは、敵にも相応の装備があると見てよかった。


(意外と、厄介かもしれないねッ!)


心の中で呟いた言葉の語尾に力を込めて、隼人は未だ下品な笑い声を上げる二人の隙をついて一気に階段を駆け上った。


「なっ、誰だ!?」


足音を隠すことをやめたため敵に気づかれたようだが、自己加速した隼人は圧倒的に速かった。咄嗟の出来事で叫ぶだけでなにもできない敵の顔を鷲掴みにして頭から地面に叩きつける。


「う、うわぁぁぁッがァッ!?」


仲間がやられたことに錯乱してか、男は出鱈目にアサルトライフルの引き金を引いた。だが、大した狙いも定めずに撃たれても、隼人に当たるはずもなく、銃弾の合間を縫って伸びてきたワイヤーが男の首を絞めた。


「うるさい喚くな、そして動くな」


素早く男との距離を詰めた隼人は、男を無理やり立たせて背後から首筋に短剣をあてがった。
向かい合うのは敵三人。次の階に繋がる階段付近にいた二人はアサルトライフルを装備していたが、もう一人中央にいた男は無手だった。


「こいつを殺されたくなかったら持ってる銃を捨てーーっ!?」


男を人質にとり、相手の無力化を計る隼人だったが、どうやら敵の仲間意識は薄かったようだ。
味方が人質にとられているというのに構わずライフルを乱射してくる敵に隼人は舌打ちを漏らし、男を無理やり引っ張って近くの壁に隠れた。


「使えない、ねっ!」


取り敢えず暴れられても困るため人質として使えなくなった男は隼人の手刀によって意識を刈り取られた。
気絶し、グッタリした男を床に寝
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