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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第32話 もっとエグイ?塩爆弾の恐怖!?
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たその人物は、マザリーニ枢機卿だ。細身ではあるが、なかなか鍛えられていて精悍な印象を受ける。国王の手前あまり表には出ないが、トリステイン王国で事実上の宰相を務めている人物だ。
「……以上です」
枢機卿の説明が終わった。しかし何故この席に、マザリーニ枢機卿が出て来たのだろう? 私は疑問に思ったが、その疑問は会議が進む事で解けた。
「問題は不足分の22万エキューを、如何するかです。国の予算から出すとなると、何処かの予算を削減しなければなりません」
マザリーニ枢機卿の言葉に、会議室内が殺気立つ。
「魔の森の件が解決したので、軍部の予算にかなりの余裕があるでしょう? 軍事費を削減すれば良いのではないですかな?」
「今回の問題は、財務担当の起こした事件だろう。自分達が起こした不始末は、自分達でどうにかするのが筋だろう」
「我々の部署は何時もギリギリです。無い袖は振れません。出せる所が出すのが、当然ではありませんか?」
「軍部も再編成で予算に余裕など無い!! 王家から特別予算を出してもらっているが、それでも足りずに何とかやりくりしているのだ。むしろ追加予算が欲しいくらいだ!!」
既に文官と武官で、対立する公式が出来あがっていた。一度削減された予算は、取り戻すのが非常に困難である為、双方必死になって舌戦を繰り返している。
なるほど。マザリーニ枢機卿が出て来たのは、この為か……。この場で国王の補佐官が、文官である事は武官達は快く思わないだろう。
誰も王家を頼らないのは、王家が既にその余裕が無い事を知っているからだろう。下手に王家に頼る姿勢を見せれば「度々特別予算を出して来た王家に対して不敬だ」と言われ、劣勢に立たされるのは火を見るより明らかだ。
舌戦は激しさを増し会議は白熱しているが、リッシュモンは未だに沈黙を守り続けている。ハッキリ言って不気味だ。
暫くこの状態が続いたが、国王は埒が明かないと判断したのか大きく息を吸い込んだ。
「……静まれ!! 静まれ!!」
国王の大声に、文官も武官も押し黙った。流石国王陛下である。威厳の塊の様な人だ。
「先程から出せぬ出せぬと騒ぐばかりで、建設的な意見が何一つ出ていないではないか!! この場は、その予算をどうするかを話し合う場である。会議の趣旨を理解しているのか!?」
国王陛下のお叱りの言葉に、会議室がシンと静まり返る。その静寂を破ったのは、リッシュモンだった。
「恐れながら陛下」
「高等法院長か? 申してみよ」
国王に発言を許可されたリッシュモンは、嬉々とした表情を一瞬だけ浮かべる。それを咳払いで誤魔化してから喋り始めた。
「何処も予算が無いのは事実でございます。先程も誰かが言っていましたが
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