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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第31話 エグイ?それはお互い様です
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居る筈では? それに護衛も……」
門番が、私に対して戸惑いの声を上げる。
「ディテクト・マジック《探知》を使ってくれてかまわない。火急の用件なのだ。速く取り次いでくれ」
「はい!! 侯爵。失礼します」
門番の1人が《探知》を使用した。
「ご本人に間違いない。ご案内します」
門番の1人に館内に通され、使用人に引き継がれ客間に通された。暫く待つと、公爵が慌てて入って来た。
「アズロック。速かったな。来るなら明日の早朝と思っていたが……」
「? ……如何いう事ですか?」
お互いの様子に、嫌な予感を覚える。
「王の召喚命令で王都に来たのではないのか?」
「召喚命令!?」
私の反応に、公爵の顔が歪む。
「まさか……、そちらも厄介事か?」
「……はい。出来れば、聞き耳が無い所で話したいのですが」
「分かった」
歩き始めた公爵の後を追い、別の部屋へ移動した。ここに来た際に、何度も使用した部屋だ。
「では話を始めよう。最初はそちらの用件から聞こう」
公爵に促され、私は今回の事を話した。フラーケニッセ領・ローゼンハウト領名義で借金があり、その支払いを求められた事。そして、その金額が30万エキューである事と、月に1割と言う高額な利子を突き付けられている事を話した。最後に王印が押されていた事と、商会と商人の名前も話した。
「……そうか」
公爵が渋い顔をしながら呟いた。
「次はこちらの番だな。……本日王都にて、公金横領で逮捕者が出た。情報提供者はリッシュモンだ。罪状は、フラーケニッセ領とローゼンハウト領の防衛費横領だ」
「まさか……」
「そのまさかだ。消えた防衛費は30万エキュー近い金額だ。そしてその全額が、未払いになっている。商会の名前が一致し、請求額が同額で王印も押されていれば間違いなく同一の物だな。アズロック。一応聞いておくが、返済を求めて来た商人は……」
「大丈夫です。手を出していません」
公爵はホッとした様に、胸をなでおろしていた。
「そうなると、請求は正当な物となるのですか?」
「そうなる。本来なら、横領した犯人の財産を没収し補填するのだが……」
公爵が途中で口ごもった。
「回収できる金銭が、横領額より少ないのですか?」
「ああ。見込みでは8万エキュー程だ。22万エキュー足りない」
「そんなすぐばれる様な事をしたのは、誰なのですか?」
「アズロックは覚えているか? 最初の謁見の時に、余計な口出しをして来たリッシュモン派の奴だ」
正直に言わせれ貰えば、印象が薄過ぎて覚えていない。私が反応に困っていると、公爵は私の内心を察したのだろう。苦笑いをしていた。
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