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《SWORD ART ONLINE》ファントムバレット〜《殺し屋ピエロ》
邂逅
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撃されていたらしい。
金も貰えるし、高確率で戦闘もあり得る。ともあれば、俺が断る理由などどこにもない。が、いざ受けてみればこれはどうだ? まだ一回も会敵してない上にずっと荒野を歩きっぱなしだ。
いい加減うんざりもしてこよう。
という気持ちを隠しもせず、俺は腐った顔で返事をした。
「報酬が良かったから、単純にそれだけさぁ。今は退屈で死にそうだよ。弾丸でも飛んでくれば盛り上がりそうーー」
不吉な文句を言おうとしたその瞬間、鮮烈な殺気が緩んだ空気を切り裂く。同時に視界の端でチカッと閃光が閃いたのを俺は見た。
マズルフラッシュ。
その思考が言語化される直前、目の前にあったロメオの顔面が吹き飛んだ。いや、消滅したと言っていい。普通の銃でこうはならない。大口径の"スナイパーライフル"による狙撃ーー
やっと敵のお出ましか。
「けどスナイパーかよ。.....腰抜けがコソコソと」
忌々しい。とばかりに吐き捨てた。だが、正確にロメオの頭を狙ってきたその腕は尋常ではない。おまけにこの殺気。遠く数キロ先から放たれる気迫が、俺の全身を泡立たせ恐怖させる。
ーー次は、あなたよ。
聞こえるはずのない声と一緒に、《着弾予測戦》が眉間をなぞった。崩れ落ち、ポリゴンとなって消滅したロメオの末路さえ目に入らず、俺は彼方の狙撃手と目を合わせる。
お互いの力量を確かめ合うことコンマ数秒、再びマズルフラッシュが網膜を刺激した。
迷いない射撃。冷徹な意思。ーー強いな。
音速を超えた弾丸を《着弾予測線》に従ってよけた俺は、不意に笑い出したいような衝動に駆られた。上等じゃないか。腕が立つなら大歓迎だ。
その思いは現実の哄笑となって腹の底から吹き出す。
ロメオの喪失に呆然としていたメンバーが正気に戻ったのは丁度その時だった。対人戦闘は不慣れながらも、素早い動きで岩場や廃墟に飛び込んで、迎撃の体制を整える。
「おい! 笑ってないでお前も早くこっちへ! すぐに敵の前衛が突っ込んでくるぞ!」
「やだね。隠れて撃つなんてごめんだ。舞台に誰もいなくなったら困るだろ?」
「なにをーー」
「約束は守るさ。あんたらは無事に帰してやる。充分に盛り上がった後でな」
俺はそう言って、邪魔なマントを一気に脱ぎ捨てた。
血の色の"赤"。
見るからに動きやすそうな軽量の装備は、胸部の防弾プレートとアクセントを除き、血を塗りたくったような赤に染まっていた。
異常。仮にも戦場でそのような格好をする異常の塊。さらにそれは、顔全体を覆う金属質の仮面に凝縮されている。表面に描かれた、真っ白い肌、笑うピンク色の唇、赤い鼻に歪んだ目、傷跡、それはまさしくーー
「さぁ、遊んでもらうか。《ピエロ》が笑
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