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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
初めての死
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って、かなり困った。進むのに邪魔だった二匹のネペントをユウキと協力して倒し、少し拓けた場所に転がりこむと、そこにいたのは驚きを通り越して、呆然としている女顔の男剣士だった。
思わず、もう一人は?と言いそうになったレンは、言葉を飲み込み、辺りに目を走らせる。
周囲には、モンスターということを示す赤のカラーカーソルが、実に三十を超える数で浮かんでいる。
そこに一人になっているプレイヤー。
それだけ解れば、もうレンにはここで何が起こっているのか解った。これは───
MPK
(
モンスタープレイヤーキル
)
だ。
なんらかのアクションを起こし、周囲からモンスターを呼び寄せる。その後、自分は身を隠し、モンスターのターゲットを一緒にいたプレイヤーに集めさせる。
昔からある、
伝統的
(
トラディッショナル
)
な
PK
(
プレイヤーキル
)
方法だ。
そんなことを考えていると、その女顔男剣士が少し離れた茂みに向かって、言い始めた。恐らくあそこに犯人のプレイヤーがいるのだろう。
「………コペル。知らなかったんだな、お前。たぶん《隠蔽》スキルを取るのは初めてなんだろ。あれは便利なスキルだけど、でも万能じゃないんだ。視覚以外の感覚を持っているモンスターには、効果が薄いんだよ。たとえば、リトルネペントみたいに」
そこまで言われてようやく気付いた。
コペルと呼ばれた犯人のプレイヤーは、隠蔽スキルを取ったので、見つからない、と思っていたのだろう。
だが、それは間違いだった。リトルネペントには視覚以外の感覚を持っているため、隠蔽できない。
そのため、こちらに向かって来ているネペント達の幾らかは明らかに、その茂みに向かっている。
だが、こちらに向かって来ている奴も、少なくない。というかこちらのほうか圧倒的に多い。それもそうか、こちらのほうが人数は多いんだし。
そんなことを考えつつ、意識を戦闘に切り替える。と、その時、左に向こうを向いて立っている女顔男剣士が、小さく
「………ありがとな」
と言ってきた。一瞬、隣にいるユウキと顔を見合わせ、レンは笑顔で言った。
「………死なないでね」
そこからの数分───あるいは十数分の詳細を、レンはのちのちになっても満足に思い出せなかった。
気が付くと、地面に寝っ転がり、荒い呼吸を繰り返している自分がいた。
隣ではユウキも同じように地面に寝っ転がり、荒い呼吸を繰り返している。
女顔男剣士はというと、コペルと呼ばれた犯人のプレイヤーがいたと思われる茂みで、彼の物と思われる剣を拾い上げ、周りで一番大きな樹の根本に突き立てた。そして、何か種みたいなものを取り出して、その根本に置く。
「お前のだ、コペル」
そう呟き
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