第23話 辺境の嵐
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隊は瞬く間に殲滅され、王族と軍の残存部隊は慌てて脱出した。
「遂に来たか」
「来ましたね。数は40万隻だそうですよ」
レオーネ・バドエルとアルベルト・アルファーニは帝国に潜入させた密偵による情報から、帝国軍の侵攻が近い事を予測していた。
そのため、既に各方面に伝令を飛ばし、戦力を掻き集めていた。
「イグディアスとオルデランから無事撤退できたのは何隻程だ?」
「合わせて5000隻程です。およそ10000隻が撃沈ないし拿捕されたと思われます」
「10000隻か、痛いな。……まったく、俺達の忠告をちゃんと聞いてればもっと多くが脱出できたものを」
「まあ、これだけ集められただけでも僥倖といえば僥倖ですけどね」
ティオジア星域には連星艦隊のほぼ総戦力が集結していた。
その数11万2000隻。
これにイグディアス、オルデランから脱出してきた艦艇の内使用可能な4000隻が加わることになる。
また、ルフェール軍8個艦隊と九王国連合軍2個艦隊も援軍として派遣されており、総勢は25万3000隻となっていた。
「それで向かう先はあそこで良いのか?」
「はい、かねてからの計画通りミンディア星域に布陣します」
ミンディア星域はウェスタディア王国の領土内にある星域の一つであり、恒星ミンディアの周囲に無数の小惑星帯が存在する。
アルファーニは、この星域を銀河帝国軍との決戦場にするつもりであった。
「しかしなぁ……お前の策はこちらが半壊状態になるのが前提だろ………」
「それしか手がありません。まともに戦えば僕達は戦力差で磨り潰されます。ですが、双方がこれだけの戦力を投入している以上まともにぶつかるしか方法は無いんですよ。戦力をあるていど分散すれば奇襲は可能でしょうが、この場合敵の戦力が大き過ぎるので返り討ちの上、各個撃破されるのが関の山でしょうね。それに………」
アルファーニはここで言葉を切った。
本人としても、このような策を採るしかないのが悔しいようだ。
「それに、彼らに移動要塞群を前面に押し立てた戦術を採られるとこちらは手の出し様がありません。大出力の要塞砲と大艦隊を相手にしながら要塞内に籠る皇帝を討つなんて、いくらバドエルさんでも不可能でしょう?」
「俺に不可能はねえ……と言いたいところだが、確かにそれはキツイな。1つだけならともかく、今回の遠征に参加している移動要塞は大型だけで8つもある。しかも内3つは大出力砲付きだしな」
敵の大艦隊と要塞群に挑んでいく光景を頭に思い描いて、顔を顰めるバドエル。
今まで幾多の困難を乗り越えてきた彼でも、それを達成するビジョンは浮かばなかった。
「僕達が勝利するには戦場で皇帝を討つしかないんです。なので……次の戦いは僕も出ます」
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