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勇者番長ダイバンチョウ
第9話 結成!地球防衛軍 番長組
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トをしていたんだ】
「そのあんたが何でこれの操縦士やってんだよ?」
【半分はさっきの男にスカウトされたんだよ。そして、もう半分は昔憧れてた正義のヒーローになりたくてな】
 夢があるのは良い事である。それが例え幼稚じみた内容であったとしても―――
「まぁ良いや、とにかく頼むぜ、白鳥さんよ」
【おう、任せておけ! 俺が操縦する以上お前等を全員無事に送り届けてやる】
 何とも頼もしい発言であった。番はその言葉を信じ、バンチョウの中で待つ事にした。本来なら生身の人間専用の待機スペースも用意されているのだが、番曰く【此処の方が良い】との事らしい。
 そんな番の気持ちを察したのかしていないのか、どうかは分からないが、白鳥は機体を移動させた。
 広大な海の真ん中にポツンと浮かぶ孤島。その孤島の崖面の一部がぱっくりと開き、その中から長い滑走路と其処を滑走するスカイ番長の姿が見られた。
【スカイ番長、離陸開始!】
 掛け声と共に巨大なスカイ番長が大空へと飛び立つ。その後を追うかの様に真っ赤なステルス戦闘機が飛ぶ。
 茜の紅燕だ。ステルス戦闘機なのに真っ赤に塗られている辺り、本来のステルス機能はほぼ皆無でありそうにも見える。
 まぁ、所詮は勇者ロボットなのでそう言ったツッコミはご法度でお願い致しますと言う事で。




     ***




 時刻は夜、アメリカの首都ニューヨークでは現在、数体のゴクアク星人達が我が物顔で暴れまわっていた。軍隊の戦力では彼等に決定打を与える事が出来ず、後退を余儀なくされていた。
「キャプテン! このままでは我が軍は全滅するだけです!」
「ガッデェム! 奴等を倒すには我が祖国に核を落とすしかないと言うのか?」
 核。それはアメリカが所有する代物であると同時に、人間が生み出した負の遺産だ。
 その威力は凄まじく、地を焼き、草を枯らし、人々を殺しつくす恐るべき兵器である。その兵器を彼等の祖国に落とそうとしているのだから彼等の胸中は痛み入ると言えるだろう。
 そんな彼等の上空をスカイ番長と紅燕が飛来する。
【到着したぜ、ヒーロー達。思い切り暴れて俺達の事を世界中に宣伝してくれよぉ】
「任せておけって、行くぞてめぇら! 地球防衛軍 番長組の初陣だぜ!」
 番の号令と共にスカイ番長の中からバンチョウ、ドリル番長、レッド番長がそれぞれ降下する。大地を揺るがし、地響きを立てて今、地球防衛軍番長組がアメリカの大地を踏んだのだ。
【げげぇっ! てめぇら、何で此処に居るんだよ?】
【バーロィ! この星は俺達の縄張りでぃ! それを好き勝手するなんざぁ、例え神様仏様、食堂のおばちゃんが許しても、この俺が許さねぇぇ!】
 意味不明な名乗り口上を放つ番。そんな名乗りに場の空気も一瞬しらけそうになってしまった
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