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親子
第二章
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 彼は浄瑠璃の店の近くにある喫茶店に入った、そこは喫茶店というよりも茶屋と言ったほうがしっくり来る和風の店だった。
 その店に入って珈琲を二つ頼んだ、そのうえで。
 老人にだ、その慎二郎という人について尋ねたのである。
「僕にそっくりなんですね」
「はい、そうです」
 そうだとだ、老人は自分の珈琲を前にして慎太郎に答える。
「二十年前ですね、一緒にいました」
「何処にですか?」
「炭鉱です」
 そこにいたというのだ。
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