第十三話 シンの『決意』
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の尻尾《フェアリーテイル》から出て行ったわい。それから三週間後ぐらいした後に、シグレが山から転落して死んだ事を知った。それから三年後に、お前が生まれた事も知った。」
俺は今までの話の内容から、一つだけ分かった事があった。それは、
シ「マスターは、俺が父さん・・・いや、シグレの息子で、『十二支』の『子』の血を持つバンギ家の十代目って事を、最初から知ってたんですか・・・?」
俺の問いに、マスターはゆっくり頷いた。すると、マスターは部屋の隅にあった木の棚から何かを持って戻って来た。手に持っている物を俺に渡す。それは古ぼけた写真だった。俺はそれを受け取ると写真を眺めた。そこに写っていたのは三人の男。一人は背が小さくて逆立った金髪の男。二人目は茶色い短髪に、黒縁の眼鏡を掛けた男。三人目は灰色の髪の毛に赤い瞳の男。
マ「背が小さい男がわしじゃ。眼鏡を掛けた男は・・・まぁ、今はどうでもいい。灰色の髪の毛の男が、当時のシグレじゃ。」
シ「こ、この人が・・・お、俺の、父さん・・・」
この写真を見て、俺は今までマスターが言ってた事が本当の事だと確信した。写真に写っている灰色の髪の毛の男の左手首に、緑色と赤茶色のブレスレット・・・『子』の姿になる『能力』を抑える為の俺と全く同じブレスレットを身に着けていたからだ。俺の写真を持つ手が震えだした。
マ「お前の母親が、なぜシグレの事をお前に話さなかったのかは分からないが、一度、その写真を持って家に帰ってみなさい。そうすれば、お前の母親も話してくれるじゃろう。」
マスターが俺に背を向けて言う。
マ「話はこれだけじゃ。すまんのぉ〜。いきなり呼び出して。」
シ「い、いえ。マスター、俺、早速家に一度帰ってみます。ありがとうございますっ!!」
俺はマスターにお礼を言って部屋を出ようとすると、
マ「そうじゃシン。」
またマスターに呼び止められた。振り返ると、いつもののほほぉ〜んとした瞳に戻ったマスターが、
マ「敬語は禁止じゃよ。」
Vサインをしてニカッと笑った。
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