第十三話 シンの『決意』
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ている。が、今のマスターを見て普通に接する事は難しいと思う。今の俺の事を見ているマスターの瞳が、いつもののほほぉ〜んとした瞳ではなく、真剣な眼差しだったからだ。しばらく沈黙がこじんまりとした部屋に流れたが、最初に口を開いたのはマスターだった。
マ「お前の父親は、お前が生まれる前に死んでおるじゃろ。」
シ「!?な、なぜ、それを・・・」
気がついたら、俺はまた敬語になっていた。
マ「父親の名は、知っておるか?」
シ「い、いえ・・・」
なぜマスターが俺の父さんが俺が生まれる前に死んでいる事を知っているのか聞きたかったけど、俺はマスターの質問に正直に答える。マスターはゆっくり目を閉じると、
マ「シグレ・バンギ。」
シ「えっ?」
マ「これが、お前の父親の名前じゃ。」
俺の思考が停止寸前になる。
シ「・・う、嘘・・・です、よね・・・・?」
マ「本当じゃ。」
俺の思考が完全に停止した。生まれて初めて知った父さんの名前。でも、
シ「な、何で、父さんの、名前を、マスターが・・・?」
母さんに何度か父さんの名前を聞いた事があったけど、その度に母さんは、
母『世の中には知らない方が良い事もあるのよ。』
と言うだけだった。なぜかは分からない。唯一父さんについて知っているのは、父さんは歳をとってもなぜか三十歳前半に見えるって事だけだ。なぜそう見えるのかは分からないけど・・・そして、今、一度も会った事が無い、父さんの名前を知った。でも、それを教えてくれたのが、魔道士ギルド、妖精の尻尾の三代目マスター、マカロフ・ドレアー。俺の父さんとは何も繋がりが無いのに・・・
マ「お前の父親とは、繋がりがある。」
シ「!!?」
まるで俺の考えてた事が分かったように、マスターは俺の疑問に思っていた事を話し始めた。
マ「お前の父親、シグレ・バンギは、妖精の尻尾の魔道士じゃったからな。」
シ「・・・え・・・・?」
お、俺の・・父さんが・・・・妖精の尻尾の、魔道士・・・だった・・・?
マ「わしが三十歳ぐらいの頃じゃ。今のお前そっくりのシグレが妖精の尻尾に加入して来たんじゃ。シグレはギルドに加入してすぐに、『十二支』の『子』の血を持つバンギ家の人間だとゆう事を明かしたわい。」
俺は未だにマスターの言ってる事が信じられなかった。
マ「じゃが、シグレが妖精の尻尾にいたのはほんの数ヶ月。シグレはすぐに|妖精
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