第十三話 シンの『決意』
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・・・とは意気込んだものの、時間はどんどん過ぎていき、相変わらず俺の心臓の鼓動はドクンドクンドクンと更に早くなるばかり。すでに『決意』は出来ている。心の準備も出来ている。でも、その心の隅っこで、まだ『恐怖』がしがみ付いている。
もし、俺の正体を知った皆は、
俺から距離を遠ざけるかもしれない・・・
俺をギルドから追い出すかもしれない・・・
俺の正体の事を街中に言い触らすかもしれない・・・
そうなると、俺以外の『十二支』の血を持つ者にも被害が及ぶかもしれないし、母さんや、何の罪も無いリンドウ村の人たちにも被害が及ぶかもしれない・・・一つ悪い事を考えると、それがどんどん大きくなって、俺の『恐怖』もどんどん大きくなっていく。
ル「シン?大丈夫?」
いつの間にか俺はテーブルに額をくっ付け、頭を抱えていた。
シ「あ、あぁ。平気、だ。」
ル「顔が青いわよ。医務室に行く?」
シ「いや・・・大丈夫。」
本当は、吐きそうなくらい頭が痛かった。でも、皆に、心配掛けたくないから・・・皆に、被害を及ぼしたくないから・・・すると、俺の向かいに座っていたナツがいきなり立ち上がると、
ナ「おーーーい!!シンが超超超超超大事な話があるから、ここに集まってくれだとよーーーーーっ!!」
と大声で叫んだ。
シ「えぇっ!!?」
ル「ちょっとナツ!何やってるのよっ!?」
俺とルーシィが止める間も無く、ナツの声を聞いた妖精の尻尾の魔道士は全員俺がいるテーブルの周りに集まった。
マ「何じゃシン?超超超超超大事な話とは?」
マスターまでいる・・・!
マカ「何だ何だ?」
ワ「ひょっとして、告白でもするのか?」
マカオとワカバの冷やかしの声は、俺の耳には入っていなかった。俺の心臓の鼓動はドクドクドクドクドクと更に早くなった。すると、ナツが俺の右肩に手を置いた。
ナ「こうゆう状況の時に、ズバッ!って言っちゃった方がいいぜ。」
ハ「あいっ!心がスカッ!とするよ。」
「ズバッ!」と言って、「スカッ!」とする。俺にはこれがまるで『呪文』のように聞こえた。
「ズバッ!」と言って、「スカッ!」とする。
「ズバッ!」と言って、「スカッ!」とする。すると、
ル『大丈夫!自信を持って!』
グ『リラックスしろ。』
エ『私達は『家族』なんだ。』
ウェ『きっと、信じてくれますよ。』
シャ『ウジウジしちゃダメよ。』
ナ『ズバッ!と言えっ!!』
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