第十三話 シンの『決意』
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ドクンドクンドクンと俺の心臓の鼓動がどんどんスピードアップしている。ヤ、ヤバイ・・・心臓が口から飛び出しそうだ・・・
ル「「口から」って、何て例え方してんのよ・・・」
シ「だ、だだだだだって・・・そ、そんくらい、ヤバイんだよ・・・」
キャシーと戦った後、俺は『決意』したんだ。
妖精の尻尾の魔道士全員に、俺の仲間全員に、俺の正体を明かす。
っていう『決意』をな。いつまでも言わなかったら、どんどん不安が圧し掛かるだけだ。今のうちに不安を追い払っておかないと。俺が正体を明かす事を知っているのは、俺の正体を知っている最強チームの皆だけ。皆もソワソワしているけど、俺がなかなか言わないからだんだん退屈になってきているのは見なくても分かる。
シャ「全く。そうやっていつまで経ってもウジウジしてるから、いざっ!って時に言えないんじゃない。」
ウェ「ちょっとシャルル!」
シャルルの言うとおりだ。ほんっと、情けねぇな・・・
エ「私がマスターにシンの正体の事を話して、マスターに発表してもらうのはどうだ?」
エルザの案にグレイが、
グ「そりゃあ無理だと思うぜ。」
エ「なぜだ?」
エルザの目付きが少し鋭くなったように見えたのは、俺の見間違いか・・・?
グ「じーさんだって、シンの正体の事は知らないんだ。いきなりエルザが説明したって、そう簡単に信じてはもらえねぇ。それに、ただの冗談だと思われるかもしれねぇ。」
グレイが言ってる事が正しいと思ったのか、エルザはそれ以上反論しなかった。
ウェ「紙に書いたらどうですか?『シンさんの正体は『十二支』の一つ、『子』の血を持つ十代目です』って。」
ル「それだと、更に信じてもらえないんじゃないかしら。」
ウェ「そっかぁ・・・」
ハ「おいらの魚に書いて伝えるのはどう?」
シャ「それだとウェンディ以下じゃない!!ていうか、食べ物に文字を書くなんてありえないでしょっ!!」
ナ「俺の火で現したらどうだ?」
グ「おい、あんまウェンディとハッピーと変わってねぇぞ・・・」
随分とユニークな案がいろいろ出たが、全部却下されている。でも、皆必死になっていろいろ考えてくれている事に感謝だな。でも、
シ「もういい。」
エ「シン?」
シ「これは俺自身の問題だ。俺が言わないといけないのに、皆が考える必要は一切無い。明日までには必ず、妖精の尻尾の魔道士全員が、俺の正体を知ってるっていう状態にさせるさ。」
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