プロローグ
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なる。でも、こういうトラウマをほじくっちゃうみたいなことをすると大ちゃんに申し訳ない気分になってくる。何でも聞くのはちょっと危険だったようだ。反省反省。
「何となく変なこと聞いちゃってごめん」
「まあ、妖精と妖怪っていう種族の違いもあるししょうがないって。それよりもさ、今日は何して遊ぶ?」
こういう雰囲気が嫌だったのか場の空気を変えてくれる大ちゃん。こういうときの心配りがいつにも増してありがたい。
「あたいは鬼ごっこがしたいなー、人間驚かすのも楽しいけど、博麗の巫女が交代して間もないしね」
とくに私は意見が無いので同意しておこう。大ちゃんもそうするみたいだし。
「よしっ、なら鬼ごっこに決定ね!最初の鬼はあたいがやるわ。それでいい?」
「うん、いいよ」
「大ちゃんに同じく」
「じゃあ十数え終わったら追いかけ始めるわ、いーち、にーい……」
チルノが数を数えているうちに逃げていく私達。さて、この鬼ごっこのルールが何だったか思い出してみよう。ルールは簡単でタッチされた人?妖精が鬼になって鬼だった人?が逃げるといういたってシンプルなルールだ。だがそれだけでは終わらないのが幻想郷。この鬼ごっこ、能力の使用が許されているのである。チルノだったら相手を死なない程度に凍らせて逃げるもよし、タッチするもよしな凶悪なルールなのだ。勿論遊びなので加減はしなければいけないが。
自分で言っておいてなんだけど随分バイオレンスな遊びである。
そんなことを考えているうちにチルノが追いかけてきた。この鬼ごっこは範囲を狭くしていて遮蔽物が殆ど無い中で大体二十メートル四方の正方形のフィールドで行わなければいけない。一回範囲を決めずにやって一回もタッチできない妖精がいたからな。
「待てー!」
そう言いながらこちらに氷の弾を撃って牽制してくるチルノ。しかし、待つわけにも当たるわけにもいかないので、全速力で逃げつつザ・ワールドの腕だけ作ってチルノの氷の弾をはじく。後ろでチルノが「んなッ!」と驚いているがそうだろう。今までの私ならこれを避けるためにスピードを落として回避しなければならなかったのに、避けられるどころか余裕ではじかれたのだ。私がチルノの立場だったら驚くことだろう。
「どーだ!私の作ったザ・ワールドは!(どやぁ)」
「うぐぐっ、そんなことされたら勝てないじゃないか!手が四本もあるなんてずるいぞ!」
「それが私の能力なんだからルール違反じゃないからね」
「くそー!捕まえてやる!」
「いいよ、かかってきな」
なんかノリで言ってしまったが思い返すとちょっと、いや結構痛いセリフを言ってしまい後悔する。
まあ、今はこの鬼ごっこに集中するか!
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