第二話「交渉、そして模擬戦」
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惑通り地に足を着けることになった。しまったとは思っても後の祭りだ。リオンが剣と話していたのを見て何をするのかと様子を見てしまったのがまずかったのかーと言うことを考えながらシャルティエを構えて凄まじい速度で突っ込んでくるリオンを見た。
速い、そう感じたのは初めてのことだった。フェイト自身素早さには絶対の自信がある。並大抵の魔道士なら追い抜かれる事はまずもってない。だがそんなフェイトをして少年の素早さは尋常ではないと認めた。
(でも...!)
フェイトにだって接近戦の心得が無い訳ではない。いやそれどころか彼女の使うミッドチルダ式の魔道士としては極めて稀な接近戦特化の魔道士だった。彼女はリオンにそれを挑まなかったのは彼の得物が剣だったからであって、もし他の...杖とかなら普通に接近戦を挑んだだろう。
「はぁっ!」
「せいっ!」
ガキィンという無機質な音を立てて剣と鎌はぶつかり合った。
だがその時には既にフェイトはそれが失策だと気付いていた。リオンは両手の剣を器用に時計の針のように回転させフェイトの武器...バルディッシュをまるで吸い寄せるようにしてその回転の中に巻き込んだ。
「あっー」
自分の手から離れていくバルディッシュに思わず手を伸ばした...
「遅い...崩龍残光剣!」
それを聞いたのを最後にフェイトは意識を失った。
「満足したか?プレシア・テスタロッサ。」
「そうね、貴方を雇うわ。」
あの後約束に従ってフェイトに『ヒール』をかけてプレシアに話を聞きにいった。
ほぼ無傷で勝ったのだからプレシアに文句があるはずも無いが
「それでいくら払えばいいのかしら?」
「衣食住を提供しろ。」
つまるところリオンが一番困っていたのはそこだった。
予想通りの答えをプレシアも納得して聞き入れ、
「これが貴方の住む部屋の鍵よ。そしてこれが地図。」
「礼を言う。」
そこまではリオンにとってなんら不安はなかった。
どうやら地球に住むことになったらしいがこの陰鬱な雰囲気のする『時の庭園』よりは遥かにいい、そう思った。
「坊ちゃん、これで宿無しは防げそうですね。」
「その言い方は止めろ。まあ確かにな、おそらく世界が違えば通貨もガルドではない可能性も高いからな。」
実際地球に降り立って思ったことは恐ろしく町が開発されていることだ、これでは野宿もできまい。そういった意味であの要求を(快くとはお世辞にもいえないが)プレシアが受け入れてくれたことはリオンにとって幸運だった。
「ここか。」
「みたいですね。」
リオンはあるマンションの前についた。ここをプレシアから指定されていた。
「入りますか。」
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