明日へ
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た光景では、自分は死んだはず。
なのに、今ここにエルザは存在し、無事を喜ばれている。
「生きているのか?私は・・・」
星空に手を伸ばし、自分の存在を確認する。
そして、気づいた。
―――――傷だらけの自分を、ナツが抱えているという事に。
―――――そんなナツの隣に、ティアが立っているという事に。
「ナツ・・・ティア・・・お前達が私を・・・?でも・・・どうやっ・・・」
エルザの問いかけに、2人は口を開かない。
(あの魔力の渦の中から私を見つけたと・・・?な、なんという2人なんだ・・・)
エーテリオンの魔力は27億イデア。
ジェラールとの戦いで壊れた水晶から溢れ出てしまった分があったとしても、その魔力はかなりのものだったはず。
そんな膨大な魔力の中から自分を見つける、という荒業に驚愕するエルザ。
それが限界だったのか、2人はほぼ同時にガクンと膝をつく。
「同じだ・・・」
「え?」
呟いたナツの脳裏に、先ほどのエルザの言葉が蘇える。
―私は妖精の尻尾なしでは生きていけない。仲間のいない世界など考える事も出来ない―
「俺達だって同じなんだ・・・」
涙を流す仲間達が駆けてくる。
その涙は先ほどの光景とは違う意味の涙―――別れに流す涙ではなく、嬉し涙だった。
「2度とこんな事するな・・・」
涙声でそう呟くナツ。
ティアは何も言わないが、その肩が小刻みに震えている。
「ナツ・・・ティア・・・」
エルザが2人の名を呟く。
「するな!!!!」
ナツが必死に叫ぶ。
その言葉に、エルザは小さく「うん」と頷いた。
―そうだ・・・仲間の為に死ぬのではない。仲間の為に生きるのだ―
エルザの目に、涙が浮かんだ。
―――――涙の流れなかった、右目に。
―それが、幸せな未来に繋がる事だから・・・-
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