明日へ
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は違った。
全員が同じ色の服に身を包み―――――
雨の中、傘をささず―――――
目の前に造られた、十字架と騎士の像を見つめていた。
『エルザ・スカーレット、ここに眠る』
墓石に刻まれるのは、エルザの名前。
―私は・・・-
全員が俯き、あの騒がしい妖精の尻尾が静まり返っている。
―死んだのか・・・-
エルザが自分の状況を確認したと同時に、マカロフが1歩前に出る。
そして、口を開いた。
「彼女・・・エルザ・スカーレットは・・・神に愛され神を愛し・・・そして我々友人を愛しておった」
どしゃぶりの雨に、十字架と騎士像が濡れる。
「その心は悠久なる空より広く、その剣は愛する者の為に気高く煌めき、妖精の如く舞うその姿は山紫水明にも勝る美しさだった」
かつての仲間、そして先生と深く関わるギルドのメンバーが死んだ・・・その知らせは、ここにも届いていたのだろう。
クロノとメープルも、その場にいた。
「愛は人を強くする。そしてまた、人を弱くするのも愛である」
涙を拭う者。
顔を両手で覆う者。
ただ沈黙し、俯く者。
普段は騒がしいという共通点を持った妖精達は今・・・静まり返っているという、普段とは真逆の共通点を持っていた。
「ワシは・・・」
堪えきれず涙を流すマカロフ。
鼻をすする音が、言葉の中に響く。
―マスター・・・-
「彼女を、本当の家族のように・・・」
雨は激しさを増す。
妖精達の心情を現すかのように。
「・・・彼女が・・・安らかなる事を祈る・・・」
涙声でマカロフがそう締めくくると、クロノがマカロフの肩を軽く叩いた。
「マカロフの旦那」
声を掛けられ振り返ると、そこにはオーグを筆頭に歩いてくる魔法評議員の10人がいた。
否―――ジークレインとウルティア、そして議長を除く、7人が。
「魔法評議会は満場一致で空位二席の1つを、永久的にこの者に授与する事を決定した」
空位二席――――。
ジークレインとウルティアがいなくなった結果、空いた2つの席。
「エルザ・スカーレットに聖十大魔道の称号を与える」
自らの命を引き替えにエーテリオンの暴発を防いだ。
それは感謝すべき事であり、賞賛すべき事であり―――悲しむべき事だった。
「ふざけんなァっ!!!!」
そこに、怒号が響く。
沈黙の中に響く声に、全員が声の主を見た。
「なんなんだよ、みんなしてよォ!!!!」
ナツはその顔に怒りを宿しながら、叫ぶ。
―ナツ・・・-
「こんなもの!」
「よさんかぁ、ナツゥ!!」
墓の
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