暁 〜小説投稿サイト〜
蒼き夢の果てに
第5章 契約
第79話 我が前に……
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かな機動に因り回避して来た攻撃を真正面から抑えに掛かる俺。
 しかし、恒星に等しい存在の攻撃を正面から受け止めるのは正気の沙汰ではない。

 ひとつの結界が崩壊する前に、即座に次の結界を準備し、その結界の強化用の呪を同時に組み上げる。
 俺の隣で崇拝される者ブリギッドが一瞬遅れながらも、対火焔用の結界呪を行使。
 彼女も上空に集まりつつある霊気に気付き、それと同時に俺の意図に気付いたと言う事。

 全方位から襲い掛かって来る炎の触手により、一層目の防壁は簡単に昇華。元の龍気から単なる光の粒子に変換され霧散。次の防御用の結界にぶち当たる。
 次々と防御用の結界が立ち塞がり、同じように次々と昇華されて行く。
 但し、防御用の結界も無駄に昇華されている訳ではない。本当に僅かずつでは有るが、炎の触手の勢いと熱量を奪って行く。

 しかし――――
 僅かに足りない。俺と崇拝される者ブリギッドが立ち上げ、そして強化し続けて居る結界仙術を行使し続けながらも、意識の片隅でそう考える俺。
 このままこの中空に留まるのは危険。結界を構築し、防御を強化して行ったとしても、僅かにクトゥグアの触手の放つ神威には届かない。
 ならば、有視界への転移を行い、そこで一度態勢を立て直すか、それとも……。

 一瞬の判断。ただ、今のトコロはクトゥグアの触手は俺とブリギッドを目指して攻撃を加えて来ています。しかし、現在上空に集まりつつある霊力の総量と、俺とブリギッドの二人のそれを比べると、危険度は五分五分から、上空の方が危険と判断する可能性も高い。
 そして、アチラは攻撃にのみ霊力を回している以上、防御に霊力を回せないと思いますから……。

 しかし――――

【問題ない】

 俺が転移魔法を行使して場所を移動、其処で態勢を立て直そうと決めた瞬間、俺の意識領域内に存在するタバサが声を掛けて来る。
 そして、それに続く違和感。
 これは先ほど、崇拝される者ブリギッドが現われた時と同じ感覚。そして、今度は左目に感じる、目を開けて居られない程の強い痛みと、頬を流れ落ちるヌルリとした生温い液体の感触。

 この現象は……。
 ここは一種の異世界。その異界化した空間の中に無理矢理侵入を図る為に、俺との間に通った霊道(パス)を辿って来たのでしょう。
 彼女たちが。
 その影響が、この左目に感じる痛みと視界を覆う紅い液体の意味。

 俺の後ろから淡く輝く七色の光が発せられ、前方に切り取られた影が長く伸び――
 そして、次々と立ち上がる土行と水行に属する防御用の障壁。

 俺の左に並ぶ妖精女王ティターニア。そして、俺の後ろにそっと佇むのは湖の乙女ヴィヴィアン。
 いや、彼女たちだけではない。

 数々の障壁を無効化したが故に、完全に初
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