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異世界からチートな常識人が来るそうですよ(タイトル詐欺)
第二十三話 気付いたら一周年
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ムは、私達のコミュニティ、"契約の櫃"のゲームです」
「オジサンじゃないお兄さんだ!!」
「なるほど。つまりこの人だかりの大半がゲームの参加者か」
辺りを見回せば確かに強者の風格を見せる猛者が多いように感じる。
「ええ、五桁のギフトゲームですから」
そう言って腰に手を当てて誇らしげにするエミを見て、興味の湧いた証は、
「やっぱ凄いのか? 君のコミュニティのゲームは?」
「もちろんです。必ずや私達のギフトゲームは貴方を満足させるでしょう」
▽
証たちの宿に関しては、"契約の櫃"が負担したのでそこに荷物をおいた後、エミに連れられて舞台区画へと向かった。
「うん。ホントに多いな、けどここまで多いと何か参加料として徴収してるのか?」
「ええ、詳しいことは"契約書類"に書かれていますが、金貨一枚ですね」
「高い!?」
少し前なら交通費込みで"ノーネーム"が経営破綻するレベルの費用がかかるということに珍しく証は叫んでしまった。驚くエミに言い訳するように咳払いをする。
「すまん。いや聞きなれない金額でなちょっと驚いただけだ」
「そうでしたか、けど御心配なく。ゲスト招待なのでお金は徴収しませんよ」
「それは良かった、良かった」
苦笑しながら顔を上げる。そろそろ開始時間なのか、空気が張り詰めてくる。その空気に当てられたのか、ブルっと身を震わせてエミは思い出したように告げる。
「すいません。今から私も準備があるので行かなくては」
「おう、また後でな」
「………後で美味しいの、よろしく」
「春日部さん………」
苦笑しながら手を振って去っていったエミを見送り、証は耀に向き直って笑う。
「さて、俺達も周りの奴らに負けないように行くか」
「うん、けど証にも負けない」
耀の言葉に証は今度こそ素で驚いた。彼女の感情表現はとても珍しい。
しかし黙っているわけにもいかないので不敵な笑みを浮かべてそれに応える。
「わかった。俺も本気で戦うさ」
▽
"契約の櫃"本拠前広場。
「おいどういうことだ?」
「わからねぇ。けどなにか変だぞ」
「なんで何も伝えに来ないんだ?」
ザワザワと喧騒が広がっているのは開始の合図と思われる鐘が鳴っても"契約書類"も何も伝えられない。そんな異常事態が5分立ってからであった。
耀も首を傾げて疑問を口にする。
「何か問題でも起こったのかな?」
「みたいだな。上」
「え?」
証がボソッと呟いたので一瞬理解できなかったが、言葉に習って上を向く。
「………え? あれって………」
耀の視力だからこそ捉えられた高度にバラ撒か
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