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インフィニット・ストラトス 一つ目機身(旧題:始祖の巨人は永遠に……)
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「……うん」
「車を待たせている。君の専用機に会いに行こう」
「大佐……。」
その時エリザベスは祖父の目尻が光ったように見えた。
国家代表候補生になったことを誇らしく思っていた自分がひどくみじめに思えた。祖父の涙など生まれて初めて見た。祖父はどんな思いでいるのか。この話を拒否したら喜んでもらえたのか。
ザクが安置されているハンター飛行場に向かう車の中、エリザベスは一人悶々としながら隣に座る祖父の様子をうかがっていた。
四時間ほど車に揺られてハンター陸軍飛行場についた一行は周囲を厳重に警備されながらある格納庫にやってきた。このように準備万端なところを見るにホワイトハウスは必ず受理すると考えていたのだろう。国家代表候補生というのはかなり名誉的であるし、事実拒否する理由は見当たらない。
装甲車に武装したヘリも待機している。兵士たちの眼光も鋭く、目線を合わせただけで人を殺せそうだ。
「では、開けます」
基地の保安担当責任者と基地司令、ザクの開発責任者が同席の下、格納庫の扉が開かれていく。
すると暗がりに光が差し込み、一つのコンテナが姿を現した。
一部の兵士たちが格納庫内部を確認し安全が確認されると、エリザベスたちはコンテナに歩みより、少佐の持つアタッシュケースから鍵を取り出し保安担当責任者に渡す。
「いよいよ……」
はたしてコンテナは開かれ中に坐すのはジパングの秘仏の如く美しいISであった。
藍色と濃緑色に彩られたその機体はまだ魂が籠っておらず眼窩に光はない。静かに坐すその姿は自身の主を待っているようにも見える。
「起動させる前にザクについて説明しておきます。
機体名YMS-05ザク、この機体はこれまでのISとは異なり
全面装甲
(
フルスキン
)
を施し、世界初の試みであります。フルスキン化したことにより重量は増加してしまったが、防御力は絶対であり、かつ他人からの不埒な目をそらすこともでき、乙女の柔肌をさらすことはありません。
またこの機体はアップデートをすることができ、現在開発中。
現在この世界で流通している歩兵用銃火器等を使用することができますが、新規で火器を開発。SOPMODシステムを応用し拡張性のあるものであります。
加えてこの機体はランドウォーリア計画の一環として開発され、現在も男性でも使用可能な機体を開発中であります。
説明は以上になります。
エリザベス嬢、ザクに触れて起動、最適化を行ってください」
作業員たちがコンテナからザクを引っ張り出し、その全容が明らかになる。
私は開発責任者の言葉にうなずき、私の愛機となるザクに歩み寄りその武骨な手に触れた。
瞬間、多量の情報が頭に流れてきた。
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