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インフィニット・ストラトス 一つ目機身(旧題:始祖の巨人は永遠に……)
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メリカ国立公文書記録管理局に保管される。
アメリカ広しといえどもIS適性A級は十数人しかいない。ハイスクールに入った今、彼女にアプローチをかけるのは何も政府だけではない。企業、研究機関、怪しげな組織。挙げればきりがないがそのほとんどを彼女の祖父が跳ね除けてきたからこそ、今の彼女がある。エリザベス自身もそのことを知っているし感謝もしている。
祖父はエリザベスが候補生になるのをあまり快く思っていない。しかしホワイトハウス発であるため連絡だけはと遠路はるばるやってきた。
彼女も祖父のことは大好きだし彼の意を汲みたいとも思った。しかし彼女はテレビで見るIS乗りに淡いあこがれを持っていたし、エリスは興味津々だった。
この話を蹴るという選択肢はエリスによって除外されている。
「おじいちゃん、私、ISに乗りたい。国家代表候補生になる!」
祖父はハッとした。エリーゼならばこの話を拒否してくれるだろうと、彼女は私を慕っているからとうぬぼれていた。それほどまでに年老いたかと。
爺心としてはあまり喜べないが、孫の成長が生きているうちに見れたことがなんともうれしい。
エリザベス自身がそう決めたのならば私も無碍にはしない。
私は思い浮かべる。この子が鋼鐵を身にまとい、アメリカの大地をかける姿を空想し、新天地に仇為そうとするものを撃破する様を。
「……わかった。だがこれだけは覚えておいてほしい。
ISというのは強大な力だ。それに溺れないこと。
お前には帰る家があるということを」
孫の成長を喜ぶ一方、最愛の孫娘が独り立ちしてさみしいと感じる。
だが、私はエリザベスに国家代表候補生の事を伝える仕事でこの家に来た。ここからは一軍人としての職務を果たす。
「エリーゼ、国家代表候補生の訓練は軍にて行われる。そのため君は軍に入隊する形となる。
紹介しよう。彼は今度設立される陸軍対IS特殊任務中隊の中隊長を務めるディビッド・アームストロング陸軍少佐。入隊後君の直属の上官となる」
「初めましてエリザベスさん。ご紹介にあずかりました、ディビッド・アームストロングです。国家代表候補生の話を受けてくれてありがとう。」
スーツマン改めディビッド・アームストロングは右手を差し出して握手を求める。エリーゼもそれに応えて握手に応じた。
「エリザベス・S・ウェルトです。どうかよろしくお願いします」
一通りの自己紹介を済ませるとエリザベスの祖父は少佐に目配せをした。
「エリーゼ、このことはお前の両親にも伝えられている。お前の母親はこれを大いに利用して地位を上げるだろう。お前の父親も軍内では地位も高い。だが、親の権力を傘に力を行使してはならない。
何かあれば助けるが頼りすぎるな。この老いぼれとの約束だ」
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