外伝その一
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「愚策だとは判っています。ですがこのままですと税収は更に増え、人々が貧困化するのは判りきっています」
「……司馬懿殿はどう思いますか?」
「……やるにしても目的が無いと反乱は鎮圧されるわ」
「目的はあります。仲の復活です」
「復活というけれど、首班は誰にするのよ? まさか私とか言うんじゃないでしょうね?」
「いえ、司馬懿様ではなく……」
そう言って全員が視線を私に向けた。
「……私を王にして反乱するというのか?」
「無茶は承知です。御願いしますッ!!」
『御願いしますッ!!』
その瞬間、皆が頭を下げた。
「……貴方が思う通りにしたらいいわ劉ソウ」
「司馬懿殿……私は……」
皆からの視線に……私は決断した。
「……判りました。やりましょう」
私は……もう一度戦う事にした。
「ふぅ、これで一人になるわね」
「何を言っているんですか司馬懿殿? 貴女もやってもらいますよ」
「はぁ? 何を言っているのよ」
司馬懿殿が嫌そうな表情をしているが、無視だ。
「放っておけば貴女は何日も本を読むでしょう。たまには外に出て日の光を浴びて下さい」
「嫌よ」
「それならカネは差し押さえです。この家のカネを握っているのは私ですから」
「ぐ……」
司馬懿殿を心配するのは尤もだが、司馬懿殿の頭も私は欲しい。
「御願いします司馬懿殿。私は貴女が欲しい」
「……判ったわよ」
司馬懿殿が顔を赤くしていたが何かあったのだろうか?
それから私の周りはにわかに忙しくなった。計画は内密にしないといけないので用意周到な計画をしていた。そして半年が経った時、蜀は突如五湖からの侵攻を受けた。
「反乱の機会はこの時しかないッ!!」
直ぐに決行が開始され、建業にて三千五百の反乱軍が立ち上がり建業を瞬く間に占拠した。
「国名はどうします?」
「……晋はどうかしら? 以前から思案していた国名よ」
「なら国名は晋にします」
建業の人々はいきなりの反乱に驚いていたが、王の名が私だと知ると仲の復活だと喜んでいた。
間者の報告だと北郷は鎮圧部隊を送ろうとしたが、五湖の侵攻に鎮圧部隊を送るどころではなかった。
その間にも各地で反乱が起き、蜀はボロボロになっていき、最終的に国内は蜀と晋の二国に分けられた。
「それで劉ソウ。私に用とは?」
「……司馬懿殿、私の妻になりませんか?」
「え……?」
とある日、私は思いきって司馬懿殿に想いを告白した。確かに司馬懿殿は寝台で寝ながら本を読んだりだらしない格好だが……私は司馬懿殿と共にしたい。司馬懿殿にはその場での返答は避けられたが、後に快諾してくれて私は司馬懿殿――鈴華を妻にした。
「さて鈴
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