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乱世の確率事象改変
雛が見つけた境界線
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 二人が言い合いをしているのを恨めしい気持ちを封じて冷やかに眺めているとすぐに落ち着き、彼がこちらを見て一つ呟く。
「……星」
「なんですかな? 戦も終わったことですし酒の席でもとお誘いくださるのか」
 先ほどの続きを、などとは言ってくれるわけも、言えるわけもない。だが久方ぶりに酒の席も楽しみたいと思い軽口ついでに言葉を乗せる。
「いいな、それ。ちょっと俺もお前達三人に話があるんだ。少ししてからそっちの陣に行ってもいいか?」
 片手で牡丹の額をぐりぐりと抑え付け、反撃を避けながら秋斗殿は楽しそうに言う。
 本当に酒に付き合って下さるとは。積もる話もあるし白蓮殿が戻って来次第……
「おーい、秋斗〜。頬の腫れは大丈夫か〜?」
 声に振り向くと遠くからにやつきながら手を振って近づいてくる白蓮殿が見えた。
 もう戻ってこられたのか。しかし我らが殴った前提とは失礼な事だ。後でとっくりと話を聞こうか。
 そう考えながら白蓮殿を迎えて後で合流することを決め、私達は酒の席の準備の為に笑いあいながら自陣の天幕に向かった。
 

 後ろで見送る男の哀しい瞳には気付かずに。



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