第七章
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「物資が豊富だからこそですね」
「それで我が軍に頼んで」
「今日はですか」
「今から」
「そうです、クリスマスパーティーです」
それをはじめるというのだ。
「では皆さんも」
「まさかな」
オズバーンは驚きを隠せない顔でここで言った。
「こんなところでクリスマスパーティーなんてな」
「ああ、ケーキに七面鳥にワイン」
「それでな」
ジョーンズとリックも言う。
「イギリス軍の中でそうなるなんてな」
「嘘みたいだな」
「俺もだ、これは予想していなかった」
軍曹もだった、ここでこう言うのだった。
「イギリス軍がわざわざ我が軍に頼んでな」
「それでイギリス軍の中でパーティーなんて」
「嘘みたいですね」
「全くだ、しかしな」
「しかし?」
「しかしっていいますと」
「パーティーをやるのならな」
それならというのだ、軍曹は陽気な笑顔で三人に言った。
「賑やかにやるか」
「はい、アメリカ人らしく」
「ここは」
三人も軍曹の言葉に笑顔で乗る、そしてだった。
四人でイギリス軍のパーティーに参加する、そうして七面鳥とケーキをワインで楽しむ。オズバーンはその中で野営陣地から見える夜空を見上げてだった。そのうえでジョーンズとリックにこう言うのだった。
「いや、まさかのクリスマスパーティーだな」
「ああ、そうだな」
「これはな」
二人もオズバーンの言葉に応える、共に楽しみながら。
「この展開はな」
「ちょっとなかったな」
「そうだよな、けれどな」
それでもだというのだ、その中でだ。
オズバーンはだ、こう言うのだった。
「こういうのもいいよな」
「だよな、戦場でのクリスマスか」
「外での」
「今度のクリスマスはな」
どうするのかもだ、彼は言った。
「勝って派手にいきたいな」
「ああ、来年はな」
「そうなって欲しいな」
「そうならないとな」
絶対にだとだ、オズバーンは来年は戦争に勝ってそのうえでクリスマスパーティーを楽しもうと話した。そしてその三人にだった。
軍曹がだ、すっかり赤くなった顔で言って来た。
「今日ばかりは賑やかに飲んでな」
「はい、基地に戻ってですね」
「それでまたですね」
「勝つまでだ、俺達は働くからな」
つまりトラックを動かすというのだ。
「いいな、それは」
「はい、勝つその日まで」
「やってやりますよ」
四人も笑顔で応える、そしてだった。
四人はそのクリスマスの為の食事とワインを楽しんでいった、そのうえで祖国から遠く離れた戦場でのクリスマスを楽しむのだった、勝ったその年のクリスマスは今以上に楽しもうと思いながら。
戦場のメリー=クリスマス 完
2014・1・1
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