第二章
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彼等は今は警護にあたっていた、補給基地はトラックやジープが派手に出入りしているが敵の姿はなかった。至って平和である。
それでだ、三人のところにエルビス=ゲーリック軍曹が来てこう言ってきた。
「おい御前達暇か?」
「いえ、警備中です」
「こうして」
「つまり暇なんだな」
警備が即ち暇だというのだ。
「そうなんだな」
「まあそうなりますね」
「今のところは」
「三人共車は運転出来るな」
軍曹は今度は三人にこのことを問うた。
「そうだな」
「ええ、まあ」
「ジープもトラックも」
「どれもいけます」
「よし、じゃあローマまで行って来てくれ」
彼等が今いる基地からだというのだ。
「トラックを動かしてな」
「輸送任務ですか」
「それですね」
「そうだ、ローマから前線に送るんだがな」
そのグスタフラインのところまでというのだ。
「人手が足りないんだよ」
「トラックがあってもですか」
「それでもですか」
「他の奴等は飛行機の整備が出来る連中は空港に行ったんだ」
「それで残ってるのは整備が出来ない連中ですか」
「飛行機の」
「その分な」
空港に行った面子の分だというのだ。
「車が運転出来る面子はな」
「トラックの方ですか」
「そっちにですね」
「ジープもあるけれどな」
それに乗る場合もあるというのだ、とにかく車を動かせるのならというのだ。
「頼むぞ、そっちを」
「じゃあ俺達はこれからはですか」
「輸送任務担当ですね」
「そうなったんですね」
「ああ、頑張れよ」
こうしてだ、軍曹の言葉の流れでだった。
三人は警備から輸送に回された、するとだった。
こちらは警備とは違い大忙しだった、それこそ夜も昼もだ。
基地とローマの間を行ったり来たりだ、前線の方まで行くこともあった、トラックやジープで物資を届ける日々だった。
暇にかまけて雑談をしている暇はなかった、毎日ハンドルを握っていた。それで目的地から基地に戻ってだった。
オズバーンはたまりかねた顔でだ、ジョーンズに言うのだった。やっとの思いでベッドまで戻って来てである。
「いや、大変だったぜ」
「今回は随分tろ時間がかかったな」
「前線まで行ってたんだよ」
「そこまでか」
「ああ、トラックでな」
物資を届けたというのだ。
「ヘルメットやらブーツをな」
「銃じゃないんだな」
「ああ、そういうものだよ」
今回届けたものはというのだ。
「それで今戻ってきたんだよ」
「そうか」
「ああ、それでリックは?」
「今出て行ったよ」
急の仕事が入ったというのだ。
「隣の基地までな」
「そうか、隣っていってもな」
「それでもだよな」
「ああ、結構な距離があるからな」
だからだというのだ。
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