第六十三話 明かされる秘密その三
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「そんなのですね」
「今で言うとまさにそれです」
そのコールドスリープだというのだ。
「そして彼が眠っている間に彼を神にするだけの力を集めているのです」
「まさかその力は」
上城fが目を瞠って問う。
「僕達剣士の」
「そうです、剣士同士を戦わせその発散される力を集めているのです」
「だから僕達は戦っているんですか」
「その神話の頃から。貴方達の魂は」
そうなっているというのだ。
「元は貴方達は罪人でした、その貴方達を願いを適えるという餌、これは確かに与えられるものですが」
「そのうえで戦わせて」
「神話の頃からそうしてです」
「力を集めているんですか」
「神は死にません」
寿命では、というのだ。
「エンディミオンもまた神になれば」
「目覚めてそうして」
「お姉様と永遠にいられるのです」
「そうした事情があったんですね」
「そうです。そして今も」
そうだというのだ。
「そしてです」
「そしてですか」
「貴方達を戦わせて力を集めているのです」
「それで剣士達の戦いが続いているんですね」
「その神話の頃に」
聡美の話はその頃に戻った。
「十三人の罪人がいました」
「それが僕達ですか」
「貴方達の神話の時です」
「僕達は罪人だったんですね」
「その頃は」
あくまでその頃はというのだ。
「そうでした、今は違いますが」
「けれどその時はだったんですね」
「タンタロス、冥界の最底辺に落とされるべき罪を犯した貴方達をお姉様はタンタロスに落とすよりもです」
「未来永劫の戦いをさせたのですね」
「はい、そうです」
まさにその通りだというのだ。
「はじめました、そのうえで」
「僕達は戦いをはじめたのですね」
「ギリシア世界では十二が基準の数字ですね」
聡美はこのことも話した。
「オリンポスの神々もそうですし」
「そのことです」
大石がここで聡美に問い返した。
「これは他の国でもそうですが」
「そうなっていますね」
「国ではないですがキリスト教もです」
「十二使徒に十二月に」
「様々なものが十二で一つにされています」
「はい、まさにその通りですね」
「これはギリシアの影響です」
大石は聡美にこう述べた。
「ギリシアからローマ、そしてキリスト教に入りました」
「その通りですね」
「そしてインドも」
マガバーンを見ながら話した。
「インドも十二という数字が強いですね」
「仏教ですね」
「はい、そうです」
「仏教は我が国ではヒンズー教の一派と考えられています」
インド独特の考えだ、これは釈迦がヴィシュヌ神の転生の一つであるという考えから起因していることだ。
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