第六十三話 明かされる秘密その二
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「決められています」
「十三人全員がですか」
「そうです、剣士に選ばれたのは神話の頃です」
その頃に遡るというのだ。
「遥か彼方の」
「あの、神話って」
「ギリシアです」
その頃に遡るというのだ。
「あの頃よりです」
「何か随分と古いですね、むしろ」
「むしろとは」
「神様って本当にいるんですね」
上城は時間だけでなくこのことも言った。
「そうだったんですね」
「はい、神々は実際にいます」
「じゃあその神様がなんですか」
「セレネーという神は知っていますか?」
聡美はここである神の名を出してきた。
「女神ですが」
「確か月の女神ですよね」
樹里が答えてきた。
「アルテミスの前の」
「はい、そうです」
「そういえば銀月さんって」
樹里は聡美の言葉を受けながら彼女を見た、そして気付いたのだ。
「アルテミスは長身で銀色の髪の毛で緑の目ですけれど」
「えっ、それってまさか」
「ええ、銀月さんそっくりじゃない!?」
「そうだよね」
上城は樹里のその言葉に頷く、その通りだというのだ。
「言われてみれば」
「そうよね、そっくりよね」
「はい、実は」
その聡美が言って来た。
「私もです」
「まさか銀月さんも」
「そのギリシアの」
「私がアルテミスです」
その女神だというのだ。
「ギリシアにおける出産と狩猟、そして月の女神です」
「まさか銀月さんがなんて」
「女神だったなんて」
「いえ、考えてみればです」
大石がここで言う、彼はこれまでは黙って腕を組んで話を聞いているだけだったがここで口を開いたのである。
「それも納得がいきます」
「そういえば銀月さんって剣士のことも戦いのことも何でも御存知でしたよね」
上城がその大石に応える。
「それなら」
「あちらの神殿で古文書を手に入れたと仰っていましたが」
それでもだというのだ。
「知り過ぎていると思っていました」
「古文書ではなく」
「今気付きました」
そうだというのだ。
「それに今思うと何かと隠しておられましたね」
「言うことは出来ませんでしたので」
だからだと、聡美が言う。
「ですから」
「そういうことですね。戦いのことを御存知だったのは貴女がその神だからですね」
「そうです。そして」
聡美は大石の言葉に応えながらさらに話していく。
「そのセレネーは血はつながっていませんが私の姉なのです」
「姉、ですか」
「私と共に月を司る女神でした」
こう話していく。
「そして。人であるが為に老いていく恋人エンディミオンと永遠にいる為に」
「確かそれって」
また樹里が言う。
「あの、セレネーはエンディミオンに恋をしたんですね」
「神話にありますね」
「はい、けれどエンデ
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