第四十九話 準備期間の朝その八
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その将軍様を見ながらだ、委員は言うのだ。
「どう使うかよね」
「入口に飾ったらどうかしら」
琴乃は委員にこう即答した。
「そうしてみたらどうかしら」
「お化け屋敷の入口になのね」
「頭から血でも流させて」
「ああ、いいわねそれ」
「そうでしょ、元々気持ち悪い顔だし」
「お父さん程じゃないけれど」
あそこまで精神衛生的に悪い顔ではないというのだ。
「それでもね」
「顔やお口から血を流してたら迫力ある顔でしょ」
「ええ、元が元だから」
それだけにだった。
「いいわね」
「そうね、それじゃあね」
「ちょっと相談してみるね、委員長や文化祭の委員と」
そうしてだというのだ。
「決めるわね」
「まあ一意見ってことでね」
「いいわよ、どうせ文句言ってこないし」
「言ってこないかしら」
「文句言ってきても漫画のキャラで終わらせるわよ」
某テロ支援組織、その国の出先機関がクレームをつけてきてもだというのだ。
「そうするから」
「強気ね」
「というかネットのあちこちでネタにされててあらゆる漫画や小説で批判されてる国よ」
何しろ究極の独裁国家だ、言論弾圧の酷さも半端ではない。処刑の仕方も迫撃砲や機関銃を使うと言われている。
「こんな一高校の看板までね」
「文句行ってこないのね」
「国会でも批判されてるのに」
その悪事がだ。
「文藝春秋社の雑誌だと特にね」
「お固い雑誌ばかりじゃないの?」
「それでも勉強になるわよ、頑固親父の雑誌って感じで」
あと新潮社もだ、この二社にPHP研究所や扶桑社の総合雑誌は保守系でそうした傾向が強い。ただし扶桑社と同じフジサンケイグループのタブロイド誌はそのテロ支援国家の機関紙と全く変わらない悪質さだ。
「面白いのよ」
「そうなの」
「そうよ、勉強にもなってね」
「あの国をいつも批判してるのね」
「その内容がまたいいのよ」
面白いというのだ。
「あの国の本質がわかってね」
「というかもう皆知ってるでしょ」
琴乃が委員に突っ込みを入れる、あの国がどういった国かは最早小学生でも普通に知っていることである。
「特撮ものの悪役みたいな国だって」
「そのままモデルになったこともあるらしいわね」
「でしょ?誰がどう見ても一目瞭然でしょ」
「そうれで批判されてて」
「そうよ、もうこんな運動会や文化祭の看板で使われてても」
「いちいち言って来ないのね」
「大丈夫よ、それこそ日本中のあらゆる人に文句つけないといけないから」
委員は言う。
「こうなったら将軍様を徹底的に怖く描きなおそうかしら」
「ただでさえ気持ち悪い顔なのに」
やはり父親程でないにしてもだ。
「そうするのね」
「流石にメイクでは出さないけれどね」
妖怪扱いにはし
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