第134話
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である。
彼は愛穂と一緒にこれから来る二人の子供の入院生活の世話をしていた。
「今どこにいる?」
「近くの繁華街辺りだな。」
「んじゃ、ここからそう遠くないじゃん。
恭介、今から学校に来れる?」
「何故だ?
俺は学校生活に問題を起こした記憶がないが。」
「そっちの話じゃないじゃん。
今日が何の日か知っている?」
「あいつらが退院する日だな。」
「そうそう、それであの二人がこの学校に来るから恭介もこっちに来てほしいじゃん。」
「・・・・・・・・・」
麻生の沈黙に愛穂は少しばかり驚く。
この手の話は麻生にすると即答で拒否する。
だが、麻生は拒否するどころか考えている。
少しの間、沈黙が続くと麻生が返事をする。
「分かった。
今からそっちに向かえばいいんだな。」
「・・・・・・」
あまりの予想外の麻生の返答に愛穂は言葉を失う。
「おい、どうした?」
「べ、別に何でもないじゃん!
それじゃあ、校門で待ってるから!」
急いで返事をして、通話ボタンを押す。
「麻生ちゃんを呼ぶのですか。
でも、意外ですね。
麻生ちゃんの性格を考えると、絶対に来ないと思ったのですが。」
「ウチもそう思っていたから、驚いているじゃんよ。
まぁ、説得する手間は省けたしそろそろ行くじゃん。」
「ま、待ってください!
まだ煙草は長いのです!
もうちょっとだけ吸わせてください!」
いくら喫煙ができるとはいえ、職員室外は禁煙になっている。
小萌先生は愛穂の手を掴み、何とか止める。
数分後、フィルターのすぐ手前まできっちり吸い切った小萌先生はジャージ体育教師に連れて行かれる形で職員室を出た。
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