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箱庭に流れる旋律
歌い手、抜け出す
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い。

 今僕が歌っているモーツアルトのレクイエムは、未完で終わった作品だ。そして、この曲の作曲にはあるストーリーが存在する。
 それは、モーツアルトが作曲している間彼に死神がささやき、未完の間に彼の魂を連れ去った、と言うもの。

 だから、僕は歌にそのストーリーを乗せる。
 僕自身が死神となり、彼らの魂を送ると言う、ストーリーを。

「く・・・ダメ・・・私は、太陽に復讐を・・・」
「この調子なら、あるいは・・・」

 ただ苦しみ続けるペストを見て黒ウサギさんとサンドラちゃんは、攻撃のチャンスをうかがう。
 そして、曲も終盤に差し掛かってきたタイミングで・・・別の曲・・・フルートの旋律が、この場に流れ出した。

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