少年達の奮闘編
第六話 推理
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あるのか」
「もちろん。この世界、俺には生気がなかっただろ?」
「ああ」
「この世界で俺は一つの賭けをしていた。この虚構世界から現実に戻り、バスの腹に開いた燃料タンクの穴を塞ぐために這い続けたんだ。何回も力尽き、意識を失った。目を覚ますとそこは虚構世界って具合だ。で、また現実に戻る。すると体が最初に倒れた場所に戻っているんだよ。これが前者の証拠だ」
「嘘をついている可能性は?」
謙吾、お前本当は俺の言葉が正しいってわかってるんだろ?あまのじゃくなやつだな。
「俺は理樹と鈴の成長を見届けた。嘘をつくメリットがない。話を続けていいか?」
「・・・ああ」
「つぎは後者の証拠の説明だ。これも俺の体験になる。さっきの続きだな。俺は同じ行為を繰り返した結果、ついに体で穴を塞ぐことに成功した。しかし、ここで力尽きればまたスタート地点に戻される。だから俺は自分の体を傷つけ、そこがスタートになるように自分の体に思いを懸けた。その結果、自分の体と虚構世界の抜け殻の体が反応してここに戻ってくることができた。異論は?」
「「ない」」
「じゃあまず謙吾に聞く。助けたい奴が一人、いるよな?」
「・・・古式」
「オーケー。古式にまつわる大切なものは?」
「・・・彼女の葬式の時に親御さんからもらい受けた眼帯がある」
「十分だ。これから理樹達と遊び、頃合いを見計らって合図を出す。自分の体が消える時に思いを込めろ。それでいける。無事到着したらその時点での謙吾に意識が上書きされるはずだ。そして真人、お前には?」
「いや。いねえよ」
「なら、消えた後も出来る限り世界を支えてくれないか。俺も一人、お節介で助けたい奴がいるからな」
「へっ、日常を支え続けるのが俺の役割だっただろう?それを筋肉で引き継ぐだけさ」
「感謝する、真人」
俺は二人の顔を順に見てから再び口を開く。
「このミッション、失敗は許されない。もう世界はもたないからな。各自、一発で決めて見せろ!
俺たちは死ぬだろうがせめて目標は生かしてやれ!ミッション名はエンドオブリフレイン!」
「「「ミッションスタート!」」」
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