Introduction
第十二話 来襲
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「あら、お言葉ですが篠ノ之博士は何か勘違いをされているようですね。確かに私は彼のことは気に入ってますが、それは今のような困った顔を見てるのが楽しいからというのもあります。私としては篠ノ之博士と彼がいっしょにいれば狼狽ぶりが堪能できそうで楽しみなのですが」
ちょっと待って、なにその理由。聞き捨てならないんだけど。いや、別に僕を巡って対立とか期待していたわけでは決してない、決してないんだけどそんな理由で気に入ってると言われてどういう反応をすればいいのか。あれ、ちょっと涙が……。
「へぇ、わかってるね、君! しーちゃんのオロオロしてる姿ってかわいいよね! だからたまに悪戯したくなっちゃうんだよね〜」
「そうですね、最近では男としてのアイデンティティが崩壊しかかっているのでそのあたりを突くと反応が面白いですよ」
「ふむふむ、なるほど。生の情報はやっぱり参考になるかな。ありがとう! えっと、たっちゃんでいいかな」
や、やっぱりこの二人は会わせるべきではなかった……。というか束さん、天然だと思っていたのはもしかして実は全部わざとだったの? 楯無さん、そこは今僕が一番デリケートな部分なんでできればそっとしておいてください。このままじゃ人間不信になりそうです。
なんだろう、あの束さんが僕ら以外を認識したのって初めての快挙だというのに素直に喜べない。
「しーちゃん、しーちゃん。しばらく見ない間に綺麗になったよね? これならいいお嫁さんになれるんじゃないかな〜」
「……今はそっとしておいて欲しいな。立ち直れなくなりそう」
さっそく得た情報を実戦しないでよ。ほんとに泣くよ? わかってて聞いてもダメージがあるのに、自然な流れで言われたら本当に立ち直れないかもしれない。
「あはは、本当だ。なるほどなるほど。暗部の更識の当主だからちょっと警戒してたけど君となら上手くやれそうな気がするよ?」
「ありがとうございます。私も篠ノ之博士に名前を覚えていただけたのなら光栄です。もちろん、私の目的の障害にならない限り、私から更識を通して情報を漏えいさせることなどもするつもりはありませんのでご安心ください。そしてその間は彼のことも守るつもりですし、場合によっては彼に協力してもらうことになると思います。今はそんなビジネスライクな関係ですね」
「ふ〜ん、まぁそこら辺はどうでもいいかな。私やしーちゃんの邪魔しなければ。たっちゃんは確かに面白いけどしーちゃんとは比べられないからね、もし邪魔するようなら全力で潰すからね」
「ふふ、肝に銘じておきます」
二人はなんだか仲良さそう(?)に談笑している。その様子は一見、微笑ましいのだけど話の内容はかなり物騒だ。なんだか束さんだけでなく楯無さんからも黒いオーラみたいのが漏れ出てる気がする。どこまで
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