Introduction
第十二話 来襲
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らずといえば相変わらずだけど、この人に隠し事はやっぱりできないなぁ。
「そんな人が考えることなんて私たちにはわからないですね」
フォルテさんもいる上にクラスメートが少なからず残っているこの場では話すこともできないので、それとなく楯無さんには後で部屋で話す旨を伝えてこの場は一度解散する。
「それで、紫苑君はあのトンデモ博士とどんな関係なのかしら?」
部屋に戻るなり楯無さんはストレートに聞いてくる。こうなってはもう話すしかない。
「……年は離れてるけど幼馴染のようなものだね。彼女がちょうどISを発表する少し前に出会ってそれから交流が続いているんだ。よく開発中に意見を交わしたり、手伝いさせられたこともあるからね。男の僕がこの学園の専門授業にスムーズについていけるのはその時の知識が役に立ってるってわけ。それに家庭の事情とかも知ってるから、僕がここに通うにあたっていろいろと協力してくれたのも彼女なんだ。ほら、この胸とかも束さんが作ってくれたんだよ」
さすがに白騎士事件のことまでは言わない、いや言えない。
「なるほどねぇ、どうりでオーバーテクノロジーだと思ったのよその胸。というか篠ノ之博士ってなんでもアリなのね。それにしても今や世界中がその居場所を探していて、家族すら彼女がどこにいるか知らないっていうのに、意外な手掛かりがこんなとこにいたなんてね」
「ん〜、詳細は言えないけど彼女は居場所が常に変わるから僕もどこにいるかは知らないよ。でも専用回線があるから盗聴とか探知ができない状態での通信はできる。といってもここ数日連絡が取れないんだけどね、おそらく楯無さんの予想通り今回の来訪はいろんな意味で間違いなく僕目当て……というか愉快犯だと思うよ」
「あら、なんだか篠ノ之博士とは仲良くできそうな気がしてきたわ」
やめてほしい、心底やめてほしい。楯無さんと束さんてどんな凶悪コンビですか。この二人を当日会わせたら強烈な化学反応でいろいろ厄介なことになりそうな気がする。うん、絶対合わせては、じゃなくて会わせてはいけない。
それから数日後に千冬さんから呼び出しを受けることになった。内容は当然ながら、間もなくやってくる天災についてのものだ。SHRでの衝撃の発表から日に日に千冬さんがやつれていくのがわかる。
「さて、わかっているとは思うが束が来る理由はいろいろある……いやむしろあって無いようなものだろうが一番の目的はお前と、あとは面白半分だろう。こちらに一方的に押し付けたあと連絡が取れなくなってしまった。しかも、厄介なことに学園への申請まで行われており、公に知られることになってしまった……。以来、私は学園側からも本件を押し付けられて調整に奔走している訳だ」
開口一番、ブツブツと愚痴が始まってしまった。と
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