Introduction
第十一話 紫苑と紫音
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チも食べ過ぎて昨日は大変だったんスよ。ウチが言うのもなんだけどだめッスよ? 次の日まで影響が出るまで食べ過ぎてトイレ「フォルテちゃ〜ん?」……へ?」
何か勘違いしたのか、同族を見つけて喜んだのか捲し立ててくるフォルテさんに戸惑っていると、いつの間に移動したのか、僕の隣にいた楯無さんが僕とテーブルを挟んで対面にいたフォルテさんの背後に回り頭を鷲掴みにした。いわゆるアイアンクローだ。
「ちょ〜っとお話があるの、いいかしら?」
「え、ちょ、なんで今なんスか!? しかも、あ、頭痛いッス。あ、楽しみにとっておいたプリン、せめてプリン食べ、あいたたたた」
そのままフォルテさんは何やら黒いオーラを発散する楯無さんに引きずられながら食堂の外へと連れ出されていった。気遣ってくれた……のかな? なんかそれにしてはやり過ぎな感じもするけど。
「あ、あはは……何があったんだろう」
「ふにぃ、とりあえずお腹壊してるならこのプリンは食べていいですよねぇ」
そう言いながらフィーさんはフォルテさんが楽しみにとっておいたらしいプリンを問答無用で食べてしまった。相変わらず容赦ないな、この人。というか、フォルテさんは別に何も悪くないのに……罪悪感が。
「うぅ、何かよく分からないけどひどい目にあったッス」
フィーさんがプリンを食べ終わる頃には戻ってきたフォルテさん。何があったのか、精神的にぼろぼろになっている気がする。
(楯無さん……何したの?)
(別に何も? ちょっと食事中のマナーについてのお話ついでに今まで溜まってたお説教を、ね)
な、何があったんだ……。説教の内容が気になるけど、なんとなくフォルテさんだといろいろあっても不思議じゃないと妙に納得しそう。
「ウチの傷ついた心を癒すのはもうプリンしか……ってないじゃないッスか!?」
「あふぅ、残されていたようでしたのでおいしく頂きましたぁ」
「いやいやいや、あんたも成り行き見てたッスよね!? ていうか何回目ッスか、ウチのプリン食べたのは! 冷蔵庫に名前書いて入れておいたのすら食べたッスよね!?」
「記憶にございませんよぉ」
テーブルの対面では不毛な口論が繰り広げられている。フィーさん、常習犯だったのか……なら僕が罪悪感持つ必要ないか、良かった。いや、ごめん、楯無さんに連れて行かれたのはほぼ僕のせいか。
「うぅ、酷いッス。ウチに味方はいないんスか」
「フォルテさん、私ちょっと体調がよくないのでこのプリンどうぞ食べてください」
「い、いいんスか!? ありがとう、やっぱり紫音だけはやっぱりウチの味方だったッス!」
あはは……、変に誤解されてしまったけどまぁいいか。隣で楯無さんが苦笑いしている。フィーさんはフォルテさんの剣幕もどこ吹く風、相変わらず
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