Introduction
第九話 褐色の問題児
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んを手なずけるあたりはさすが千冬さん、といったところか……。
「ったく、しゃーねぇか。お前らぁ、面倒かけんなよー」
やる気が全く感じられない臨時ヘルプに千冬さんは嘆息しつつも、今日の実習内容について説明をする。今日は訓練機の起動を各自で行い、可能なら歩行〜飛行までを行うらしい。
「西園寺、サファイア、更識。お前たちは今回の実習ではサポートに入ってくれ。これから班分けを行うからそれぞれ割り振られた生徒の補助をしろ」
僕ら三人とケイシーさん、それに山田先生を加えた五人で行うことになった。班分けの際に若干揉めた(具体的には何故か僕と楯無さんに集まった)けど、千冬さんの鶴の一声で出席番号順になった。
僕は2組の生徒の一部を担当することになり、それなりにスムーズに進行できた。ただ、自分のクラスではある程度落ち着いてきていた、僕に向けられる何とも言えない視線が今は強く感じられる。
他の班も概ね順調に進行しているみたいだ。ケイシーさんの態度が不安だったけど、遠目で見ていた感じだと、いざ実習が始まってしまえば丁寧に教えていたように思える。意外と面倒見がいいのかもしれない。
午前中の実習が終了し、昼休みになった。僕らはせっかくなので、ということでケイシーさんを誘って昼食に行こうという話になる。
「ケイシー先輩、よろしければご一緒にお昼はいかがでしょうか?」
「あー? お前は確か最近あのいけ好かない会長をぶちのめしたっていう更識楯無か?」
楯無さんが声をかけると、相変わらずの気怠そうな口調で応えてくる。そういえば前会長のことは何も知らないけど、ケイシーさんの口ぶりだと評判よくなかったのかな……? 今度楯無さんに聞いてみよう。
「はい、更識楯無です。既に新生徒会長として任命されてます。こちらの二人も生徒会のメンバーで」
「西園寺紫音です。よろしくお願いします、ケイシー先輩」
「フォルテ・サファイアッス〜」
「お前らが噂の新入生どもか。もう一人の学年主席と……イタリアの代表候補生か。てかダリルでいいぜ、敬語も別に必要ない」
ケイシーさん……ダリルさんは僕らを見ながら続けた。どうやら、楯無さんだけではなく僕やフォルテさんのことも知っているみたいだ。
「あら、じゃお言葉に甘えるわ。ダリル先輩」
「わかりました、ダリルさん」
「な、なんか初めて何も言われずまともに受け入れてもらった気がするッス……!? ウ、ウチは先輩にならついていけるッスよ!」
一通りの自己紹介も済んで、ダリルさんも一緒に昼食を食べるのを了承してくれたのでそのまま食堂に向かうことになった。若干一名、ダリルさんへの好感度が急上昇してる気がするけど気のせいだろう。
「それがよぉ、どうせ停学してグダグダしてるなら授業
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