Introduction
第九話 褐色の問題児
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「た、楯無さん!? これ以上は……だめですよ!」
僕の願いが聞き入れられることはなく、楯無さんは躊躇なく扉を開け放ち僕を引きずったまま更衣室に入っていく。僕は咄嗟に、せめて中に居るだろう女生徒達を見ないようにと目を瞑った。
「ほら、いつまでそうしてるの。早く着替えるわよ。……というか目開けていいわよ、誰もいないから」
「え……?」
恐る恐る目を開けると、そこには確かに誰もいなかった。
……どういうこと?
「さすがに私もあなたを女生徒の着替えの現場に放り込まないわよ。これでも生徒会長よ? 率先して風紀乱してどうするのよ。ここはこの時間では使われてない更衣室よ。」
「……はぁぁぁ」
よ、よかった。一時はどうなることかと。あぁ、楯無さんの背中に後光が見える。どちらかというと率先して風紀乱す方だと思ってたけど誤解でした、さすが生徒会長。ありがとうございます!
「……何か失礼なこと考えてないかしら。それにそんなにため息つくなんて着替えが見られなくて残念ってことかしら? 仕方ないわね、私の着替えで我慢しなさい」
そう言いながら楯無さんはベルトを外しスカートに手をかけ……
「ちょ、ちょっと楯無さん!?」
スルスルとそれと脱ぎおろすとすぐに下着……ではなくISスーツが目に入った。
「残念、下に着てきたの」
「……ですよねぇ」
なんか疲れてしまいそのまま呆けていると、構わず楯無さんは制服を脱ぎ始めた。
とはいえ、ISスーツ自体水着のようなもので下着と大差ないどころかピッチリしてるせいか体の曲線が強調されてなんだかこれはこれでエロティックな感じが……。
「あ、あのね。自分で言っておいてなんだけど、そうまじまじと見られるのはさすがにお姉さん恥ずかしいわ」
「え? あ! ご、ごめんなさい」
い、いつの間にか凝視していたみたいだ。楯無さんもちょっと顔が赤い、ていうか照れるくらいなら最初からやらないで欲しい。まぁ、この状況では見てる僕が100%悪いけど。
「というか、早く着替えないと本当に遅れるわよ?」
「あ、はい。そうですね!」
気づけば楯無さんは既に着替え終えて、というより脱ぎ終えていた。
僕も慌てて制服を脱ぐ。下は既に穿いているので、上だけだ。そのため制服だけ全部脱いだのだが……。
「へぇ……改めて見ても本物にしか見えないわね」
今度は楯無さんが僕の胸を凝視していた。もちろん偽物の。
「あ、あの。さすがに私も恥ずかしいんですが」
「いいじゃない、減るもんじゃないし。……触ってみてもわからないのよねぇ、感触も本物そっくり」
そう言いながら今度はその偽物の胸を触り始めた、というより揉み始めた。
「ちょ、ちょっと楯無さん
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