Introduction
第九話 褐色の問題児
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ぞ!」
いつの間にかそんな時間になっていたらしく、千冬さんが教室に入ってきた。この状況で騒ぎ続ける命知らずはいないためすぐに静かになりSHRが始まった。
「さて、今日からいよいよ諸君はISに触れることになるわけだが事前にいろいろと注意事項などを説明しておく」
その後、千冬さんはIS実習についての説明を始める。今回は2組との合同であることや訓練機は数に限りがあるため現地で班分けを行うことなど。更衣室の場所なども説明があった。
……更衣室? 何か忘れているような。
あれ? そういえば実習がしばらくないってことで最近は僕ISスーツ着てなかったな、もちろん今日も……。
ん? ということは……。
しまった!? え? てことは僕、更衣室でみんなと一緒に着替えないといけないの!?
前回使ったあとクリーニングしてロッカーに入れておいたのが仇になった、実習に合わせて部屋から持ち出すようにすれば気づいただろうに……。
僕のは一般的なレオタードタイプじゃなくて上下タイプ。下は下半身のサポーターを兼ねてるから念のため常時着用してるんだけど上は胸を押し付けるから苦手で最近は着けてなかった。
う〜ん、一時限目からだから部屋に戻って着替えるのは間違いなく遅刻する……といより遅刻したら千冬さんの制裁が怖い。
「ん? 紫音どうしたんスか? 急に小刻みに震えだして」
「……ははぁん、なるほどなるほど」
後ろから声が聞こえるけどそれでどころじゃない、どうしよう。体操着とかならまだしもISスーツの着替えなんて水着に着替えるようなものじゃないか。いや、体操着の着替えならいいってわけじゃないんだけど。どちらにしろ女生徒に混ざって着替えるなんてもう言い逃れできない!? バレるバレない以前に完全に犯罪者だ!
「ほら、紫音ちゃん。いつまで震えてるの。早く着替えないと遅れるわよ」
「……え?」
楯無さんに声をかけられて周りを見ると、もうそこには僕ら二人以外だれもいなくなっていた。
「もうみんな更衣室に向かっちゃったわよ。フォルテちゃんはフィーちゃんと一緒みたい。ほら、あなたのISスーツ。私たちも行くわよ」
「あれ? 私のロッカー鍵かかってたはずなのに。いや、ちょっと待ってください。更衣室は……だめですって!」
いつの間にか僕のISスーツを持ってきていた楯無さん……というか勝手に人のロッカーをこじ開けないで下さいとか言いたいことはあるけど、それ以上に勘弁してください! あ、引きずらないで……ってIS部分展開してないですか!? あぁ、抜け出せない……。
抵抗虚しく気付けば更衣室前にいる。もちろん女子更衣室だ、そもそも男子用なんてない。
楯無さんはそのまま僕を掴んで、そのまま扉を……。
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