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IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
Introduction
第九話 褐色の問題児
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から実技があるんスね〜」
「そうですね、いきなり難しいことはやらないでしょうけど少し楽しみですね」

 ISを初めて動かしたときは僕も興奮した。まぁ、最初に起動させてしまったときは驚きのほうが大きかったし、これから起こりうる問題に頭を悩ませもしたけど。それでも空を実際に飛ぶことができた時にはそんなこと忘れるくらい嬉しかった。……まぁ、当時に思い悩んだ問題なんて生ぬるいくらいの状況に今はいる訳だけど。

「これでぇ、ようやく買っておいたISスーツが着られますぅ」

 そう言いながら話に加わってきたのは同じクラスのフィオナ・クラインさん。彼女の希望でみんなフィーさんと呼んでる。フォルテさんの同室ということで、彼女を介して仲良くなった。肩ほどまでのウェーブがかった茶髪と花飾りが印象的で、話し方もちょっと癖がある。……フォルテさんといいIS学園に来る留学生はみんなそうなんだろうか。いや、サラさんは綺麗な日本語だったし彼女たちが特殊なのか。

「フィーも指定のじゃなく特注ッスか?」

 フォルテさんがそうフィーさんに尋ねる。ISスーツは肌表面の微弱な電位差を検知し、操縦者の動きをダイレクトに各部位へと伝達、反映する。ISスーツがなくてもISを動かすことはできるが、反応速度が鈍くなるなどの障害が発生してしまう。逆に言えば操縦者に適合したISスーツは操作性などの向上に繋がるため、基本的にISスーツは購買で学園指定(というより推奨)のものが販売されているものの、代表候補生や専用機持ちなどはカスタム品や特注品を好む傾向がある。

「そうなんですよぉ。指定のものだと胸のサイズが合うものがなくてぇ」

 そう言いながらフィーさんは自分の胸を両手で抱えて持ち上げて見せる。 
 ……彼女が言うように、その、胸が確かに大きい。山田先生クラスだと思う。あれ? この流れサラさんの時にもあったような、いやそんなに見てないからね!?

「あー、そッスかー。そりゃ大変ッスねー」

 そのどうでもいい理由のせいか途端に興味を失ったかのように言葉が棒読みになるフォルテさん。

「あらぁ、そういうフォルテさんもですよねぇ? さすがに子供用は売ってなかったなかったですしぃ」
「そうッスね!? 確かにウチも特注品ッスよ! でもこれは国に支給されてるからで別にサイズがないからじゃないッス、断じて違うッス!?」

 フォルテさん、そこまで否定すると逆に認めてるようようなものでは……。というか何度か一緒に話しててわかったけど、フィーさんはたまに辛辣なこと言うけど本人は悪気ないみたいなんだよねぇ。天然の毒舌なんだろうか、おっとりした話し方とのギャップが凄い。悪い人じゃないんだけど、フォルテさんも同室で苦労してそうだな。

「騒いでないで席に着け、SHRを始める
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