Introduction
第八話 新生徒会始動
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自ら射線に飛び出てきたフォルテさんは言葉半ばに謎の一撃、というか見えない速度で飛来した出席簿で沈んだ。
千冬さん、さすがにこれは理不尽だと思うよ、うん。直接は言わないけど。そしてフォルテさんはもう少し危機察知能力を養ったほういいんじゃないかな。
「……なんでフォルテちゃんは寝てるの?」
「世の中には知らないほうが幸せなことがあると思います」
「また地雷を踏んだわけね」
不思議そうに尋ねてくる楯無さんは僕の視線の先にいる人物を見て納得したらしい。ちなみにその当人は教壇の上の椅子に腰かけて素知らぬ顔でコーヒーを飲んでいる。
「それはさておき、明日には正式に私が生徒会長に就任、新生徒会が発足になるわ。一応、現時点で指名した役員で顔合わせしたいから放課後空けておいてね。とはいっても、私たちとあと一人だけなんだけど」
負傷者一名をさておいた楯無さんは用件だけ告げた。
どうやら明日から生徒会が始まるようだ。聞いた話だと今までの生徒会メンバーは全員解任になり、新生徒会長である楯無さんが指名した人のみで組み直されるらしい。この学校の生徒会の仕組みがどうなってるのか知らなかったけど、楯無さんによると学園最強が条件の生徒会長以外の役員は、定員数まで会長の独断で決められるとのこと。
わかりやすいと言えばわかりやすい、でもよく今まで成り立ってきたなぁ、問題起きなかったのかな。みんながみんな楯無さんみたいに有能なら大丈夫なんだろうけど……いや、楯無さんが会長というのは別の意味で不安になってきた。
「ふふ〜、楽しみね……私が会長になったからにはあんなことやこんなことを……」
……不安が現実になるのはそう遠くない気がする。あとなんか黒いのが出てるよ、楯無さん。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ということで、新生徒会長の更識楯無よ」
「いや、知ってるッスけど。それにしても随分軽いッスね」
翌日、授業が終わったあと僕ら三人は生徒会室に向かい、新生徒会メンバーとの顔合わせとなった。とはいえ、僕らにもう一名を加えた四人しかいないのだけれど。ちなみに就任式や集会などによる全校生徒への挨拶などといったものは一切なく、掲示板に辞令が貼りだされるだけの簡素なものだった。
「まぁ、このメンバーで堅苦しくするのもね」
「お嬢様、こういったことは最初が肝心ですので」
おどけた感じで肩を竦める楯無さんを、隣で控えていた女生徒が諌める。生徒会に加わるという、二年生だ。眼鏡に三つ編み、仕事がデキそうなその佇まいはさながら委員長……というか生徒会役員ならポジション的にはその上位なのだろうか。
「あん、ここではお嬢様じゃなくて、か・い・ちょ・う」
「……失礼しました、会長。ところでご学友の方々が置いてけぼりに
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