Introduction
第七話 更識楯無
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出すなりしなかったの?」
「まぁ、正確に言うと確信したのは最近なんだけどね。確認しようとしてお風呂場に潜入してみたら……何よあの胸、本物みたいじゃない。明らかにオーバーテクノロジーよ! スタイルいいし咄嗟の叫び声まで可愛いし、本当に女の子なんじゃないかと……こほん、それはさておき、こちらとしても西園寺家の目的とか動向を知りたいのもあったし、様子を見てたの」
胸のくだりで何やら興奮してたようだけど、あとは淡々と説明をする楯無さん。いや、確かにこのシリコンバストは僕も技術の無駄遣いだと思うけど……声云々は触れないで欲しい。
「それで、ようやく紫苑君の留学情報の虚偽と紫音ちゃんの入院情報の確認が取れて確信したってわけ」
こうなると、結局バレたのは必然ではないだろうか。というより僕のせいでバレた訳じゃないね、これは。西園寺もこれなら諦めるしかないでしょう。……問題は僕がどうなるかだけど。
「それで、楯無さんはそれを踏まえて僕をどうするつもりなの?」
今重要なのはそこだ。楯無さんに下手な誤魔化しをしても意味がないのはわかった。あとは、そのカードを彼女がどう使うか。
「別にどうもしないわよ? もちろん、西園寺家への監視は続けるけどあちらが何かしない限りこちらが動くことはないわ。それに紫苑君、あなたに対しても何もするつもりはないわ。今まで通り、学園に通ってちょうだい」
……意味がわからない。
「意味がわからない、って顔してるわね。……生徒会の話のときに言ったけど、ある事情で学園に信用できる子が欲しいの。あなたも家の事情でここに入れられたのはわかってたけど、最初私にはあなた自身がどういうつもりで通っているのがわからなかったわ。……でもここしばらく一緒にいて、あなた自身は信用してもいいって思えたの」
やっぱり意味がわからない。こんな短い間に僕のなにを見たと言うんだろう。
「まだ納得できないかしら? まぁ、そうよね。でもこれでも私は人を見る目はあるのよ。それこそ腐るほど世の中の裏側で多くの人間を見てきた自負はあるしね」
男であることを隠して、楯無さんを騙してきた僕を信用する。それが本当なら彼女の器はどれほど大きいんだろう。でも、実際のところ僕も楯無さんのことを信用していた。それは今思えば彼女のこういう部分にどこかで気づいていたのかもしれない。
「その、学園で人を集めている事情っていうのは?」
「亡国機業って知ってるかしら?」
「え!?」
その名前をここで聞くことになるとは思わなかった。
亡国機業、50年以上前の第二次世界大戦中に生まれ暗躍を続ける秘密結社。国家、思想、民族、信仰、一切に還らず目的がわからない謎の多い組織。確かなのは、大きくわけて幹部会と実
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