暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
A's〜オリジナル 日常編
47話:士の2月13日の出来事
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るとそれは彼の左肘だった。ついさっき突き出した左手を戻す動きで、肘を拳の進路に割り込ませたのだ。
まぁそれでも勢いまでは最後まで防げるものでもなく、彼の体は少し左にズレる。

「ふっ!はっ!」

が、すぐに彼は左肘を動かして拳を退かし、再び右拳を突き出した。

「くっ!」

私はそれを潜るように避け、次の攻撃を仕掛けようとした。

だが、今度は先程避けた右拳が、再びこちらに向かって来たのだ。
裏券だと理解したときには、私は両手でガードしていた。いきなりの事で体勢が左にズレてしまう。

「はぁあっ!」

だが彼は、すぐに少し飛び上がり、右足を振り上げて空中回し蹴りを放って来た。
両手で防御魔法を形成するが、相手は足。手の三倍の力がある物を、そう簡単に受けきれる訳もなく、またも私は弾き飛ばされてしまう。

「くぅ…!」

少し後退した所で、またも彼の回し蹴りが来る。今度は左足だ。
それを見た私は飛ぶように後退して、体勢を立て直す。

「うぉおおおお!」

彼は待つ時間も惜しいのか、すぐに私に向かって走り出していた。
私も左拳を握って、ローラーを勢いよく動かす。

爆発音のような音が足下から響き、彼が勢いよく近づいてくる。

「うぉおおおおお!」
「はぁあああああ!」

そして、


お互いの突き出した右と左の拳が、それぞれの頬を打ち抜いた。


















「これで…いいかしら?」
『OKよ、クイントさん。今回は無理言ってごめんなさいね』
「い、いえ…私もいい経験ができましたから…」

そう遠慮がちに言葉を発するクイントさんは……

俺と一緒に地面に転がってます。

何故そんな事になっているか。説明すると、先程の拳の激突で俺達二人の体は彼女が作り出したウイングロードから飛び出してしまい、そのまま地面へ落下してしまったのだ。

幸い大きな怪我もなかったが、少し体中が痛かったりして、二人ともまだ立ち上がれずにいた。

「……クイントさん、今回はありがとうございました」
「いえいえ、さっきもレティ提督に言ったけど、いい経験になったからいいのよ」

そう言われても、ちょっとは気にしますよ。女性を殴るのは、あまりいい気がしないから。

『士君、今回の試験の結果はおって伝えるわ。そこでゆっくりしててね』
「わかりました、ありがとうございます」

そう言って俺の横にあったモニターが消える。
ふぅ、と息を吐いて、体の力を抜く。いやいや、確かにいい戦いだった。

「どっ…こいしょ…!」

と言葉を吐きながらゆっくり立ち上がり、クイントさんの方へ歩み寄る。

「大丈夫ですか?」
「え、えぇ。ありが
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