暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
A's〜オリジナル 日常編
47話:士の2月13日の出来事
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に擦った苦痛による彼の声が聞こえるが、こんなんじゃ倒れない事は、データを見て知っている。
私は再びUターンすると、先程と同じように拳を突き出す。だが彼も今度は見切って見事に避けてみせる。


そんな攻防が数回続いた。
彼は既に片膝を付いていて、その息は荒かった。

だけど、攻撃の手を緩める訳にはいかない。
再び彼に向かって駆け、拳を構える。

真っ正面にいる彼はゆらりと立ち上がり、こちらを睨めつける。と言っても、仮面で表情は見えないから、予想でしかないんだけど。

「はぁああああ!」

私は雄叫びを上げて、拳を突き出す。今度も、彼の体にすれすれで当たるような軌道だ。

「っ!」

だが、今回の彼の行動は先程までと違っていた。

すれすれに当てるつもりだった拳の軌道へ、自ら当たりに来たのだ。

「なっ!?」

突き出した拳は既に止まらないところまで来ていて、このままでは彼の体に当たってしまう。
思わず声を上げてしまったが、彼はそんな物知らぬというように私が突き出した拳を真っ正面から大きな音を立てて受け止めた。

そう、受け止めたのだ。

両手を胸に添え、拳を鷲掴みするように受け止めたのだ。

「くっ…!」
「ぬぅ…!」

ザリザリと帯の上で足を摩りながら後退する。
そして私の勢いがなくなると同時に、彼は顔を上げて告げる。

「つ〜かま〜えた…!」
「っ!?」

思わず声を上げてしまいそうになる程、彼の声はドスの利いたものだった。

仮面の下にある彼の表情は、今どんな風になっているのだろうか。
そう考えると、体は一瞬固まってしまった。

「ふっ!」

そんな隙を彼が見逃す筈もなく、掴んでいた私の拳を上に弾くように投げる。
そこまで強い力でやられた訳じゃないので、体勢に影響があった訳ではないが、次の彼の行動が速かった。

右、左、次に右足を振り上げてくる。三発とも、リボルバーナックルでうまく防ぎ、左側で止まっていた足を弾く。

だが彼はその勢いすらも利用し、今度は右足の後ろ蹴りを放つ。
胸へとやって来た蹴りを、私はナックルをクロスさせて防ぐが、防御魔法を発動する時間もなく、私はその蹴りの威力で弾き飛ばされた。

帯を削るように停止して前を見ると、彼は既にこちらに攻撃を仕掛けていた。
私に飛びかかるような体勢で飛んで来て、右拳を振り抜く。クロスした両手で受け流すように防ぐが、すぐに彼の左ストレートが飛ぶ。

だけど、やられっぱなしは癪に触る。これでも経験は私の方があるのだ。
彼の拳を左手で左に受け流し、がら空きとなった彼の左のボディーに右拳を向かわせる。

当たる、と思ったその時、拳の進路を遮るように何かが現れ、私の拳を受け止める。
何か、と見
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